2019年02月11日

◎TVドラマ英語字幕の翻訳に初挑戦(part4完)、感じた事、気付いた事など「こどもの世界」◆ネタバレ有り◆《2/12追記》疑問が氷解!!本懐

和訳の過程で気づいた事が多いので、
ネタバレ無しでコレを語るのは難しい。
近日中に吹替え版&日本語字幕付きDVDを入手予定の方は
◆ネタバレ有り◆と表示の項目は読まないように…


1《Google翻訳で最初に驚いたこと》
村の名前「peaksville」は「ピークスビル」と訳されました。
Google翻訳は、訳すのに困ると「peaksville」と英語で返すことがあります。
「ピークスビル」と訳されたということは、
小説やドラマで怪物の住むpeaksvilleは少しは有名ですから、
実在の地名を使うはずは無いので、当然仮想の地名です。
なのに、Google翻訳で「ピークスビル」と即に出たということは、
Google翻訳の利用者がそう登録したのです。
きっと「It's a Good Life」のファンなのでしょう。
ええきっと私のような日本語字幕挑戦の先達なのでしょう。
Google翻訳は利用者の登録で進化中なのだ。
私は入学したばかりなので、訳を登録するのはまだ恐れ多いけど……

2《日本語と英語との大きな違い》
・主語がとにかく五月蠅いぐらい、はっきり書いてある。
(動画のセリフに「私(I)」が無い方がスッキリするのに)
・会話に相手の名前が頻繁に登場する。(二人の会話ならば、相手は決っているのに…呼びかけのスキンシップなの)
・日本語だと、会話している相手に呼びかける時に、とにかく様々の表現があるけれど、英語だと「you」「Anthony(名前)」、上司や格上だと「sir」を付けたり、親愛の情をしめすのなら「dear」も。日本語に訳すと、「あなた」「君」「貴様」などで様々の表現となる。女性が愛しい人に呼びかけるのなら「貴男」も…。日本の翻訳者には色んな表現が用意されているから、選択肢が多い。その点、「you」しかない英語は、失礼だが、少し貧困に思える。
・今回の「こどもの世界」翻訳では、怪物の「私(I)」は「ボク」にした。住民が怪物に話しかける時には、「you」か「Anthony(名前)」(父親は「son」もある)。怪物に対しての「you」は、普通、皆が恐れを抱えているから「あなた」と訳したけど、怪物に反旗を翻した男の発言だけは「君」と訳した。中年の男が、6歳の怪物坊やに喧嘩を吹っ掛けた時に「あなた」と呼びかけるのは可笑しいからだ。
(※翻訳作業の一段落が着いてから、DVDの吹替え&字幕を確認したら、「貴様(きさま)」を使っていた。)
・表層的には、尊敬語、謙譲語がないから、「you」は平等的に見えるけど、罵倒するスラングは豊富そうだから、場面によって使い分けているのだろう。
・日本人はすぐに「すみません」謝るが、「起訴社会」であるアメリカ、「私が」「私は」という自己主張が強いのかも……

3《父親の怪物息子へ呼びかけは!?(脚本家サーリングはどう表現したか!?)》
(翻訳挑戦した作品「こどもの世界」は、超能力を持った6歳の怪物坊やが主人公で、父親もご機嫌を損なわないように、常に気を使っているという大前提で…)
父親は、普段は「アンソニー(Anthony)」と呼びかけていますが、
何かをしでかし恐怖心が大きくなった時には「息子よ(son)」に変わります。
「Did you, son?」「息子、何をしたの?」
がとっさに怒ってしまった時には、「アンソニー(Anthony)」に戻ってしまうことも。
この脚本の機微は、吹替えでは何も活かされていない。
文字数の制限もあるのだろうが、脚本のニュアンスを無視することにしたようです。

こういう発見は、翻訳に挑戦したから初めて判明した事だ!!
脚本家サーリングの息吹を感じる時……

4《翻訳して、初めて気づいた伏線》◆ネタバレ有り◆
ビルは何でも雑貨屋(村唯一の店かな??)の配達を自転車でしている。
アンソニーへの挨拶は丁寧で、かなり気を使っている。
ホンネはここへ来たくなんか無いのだが…
ご機嫌を損ないたくないから、配達に来ているビル。
ビルはそつが無いから、怪物坊やには結構気に入られているらしい。
(※原作の小説では、"3歳"の怪物坊やアンソニーと関わりたくないから、九九算などをモグモグつぶやき続ける脇役がビル。がサーリング脚本では重要な役どころとして起用されている。サーリングの構成に触れていると感じる時だ)

今日の配達の中には、アンソニーの好きなトマトスープの缶が…
ビルは夫人(怪物の母親)に、わざわざ持って来たことを伝えて欲しいと頼む。
すぐにでも話しますという夫人…
ビルは急ぐ必要はありませんと、行きかけた夫人を止める。
夫人が、今夜はあのテレビの日よ、と声をかけると
ビルは、きっとそこにいますよ、と応える。
(これが重要な伏線の一つになっていた事に、やっと気づいた次第だ)

父親の部屋に来たアンソニー
色々な会話があってから
怪物坊やはビル・ソームズの犬をトウモロコシ畑へ入れてしまう(殺して埋める)。
それに気付いた母親は慌てて父親の部屋へ…
(字幕で視ていると、同じビルとは気付かなかった。苗字があると別人みたい)
(小説だと割と最初フルネームで、後に名前だけとなるから)
母親が慌てたのは、トマトスープの事をまだアンソニーに話していないからだ。
母親にすれば、それをアンソニーに話していたら、防げたかも知れない犬の悲劇……
(母親の慌てた登場がずっと怪訝だったけど、脚本家の狙い(計算)にやっと気付いた!!なるほど、と)
(ドラマが普通に進展していると、気にならなかった事も、英語字幕をどう訳そうかと立ち止まっていたからこそ、気付いたのだと思う)

5《吹替え版では消えた脚本の大切なニュアンス》◆ネタバレ有り◆
ドラマ一番のヤマ場は、怪物少年に反旗を翻してダンが戦いを挑むシーン
「Won't somebody take a lamp or a bottle」
「でも誰もランプや瓶を手にしません」
ダンの思惑は、自分が悪者になって怪物を難詰している時に、
怪物の思考がオレ自身に集中し拘っている時に…
後ろから忍び寄って怪物の頭に振り下ろしてくれ!!という願い…
折角周りにある物(ランプや瓶)を引き合いに出したのに、
吹替え版からはスッポリと抜け落ちている……
この英語字幕は実際のセリフの再現に心がけているけど
吹替え版は判り易い言い換えにのみ拘っているようだ。

この時から、吹替え版(それに準拠した字幕も)はあまり当てにならないと考えるようになった。
キリが無いから取りあえず一段落で中止した状態の翻訳だが、
どう訳すべきかで悩んでいる箇所がまだ残っている。
吹替え版に捕らわれずに、納得の行く自分の訳を探そう……
(日本で最初に放映された時の"吹替え"、それが全て正しいとは限らない)
(2/13追記:なお現在流通している新しい日本語字幕は、原音を確認した上での再現翻訳と思われるので、その信頼性は高そうだ!!)

6《英語字幕にはあるのに、動画には見当たらない怪物坊やの発言の謎》◆ネタバレ有り◆
ラスト近くの雪が突然降り始めて来たシーン
アンソニーなの!?と驚く父親に対し
「作物の半分って、どういう事なの...パパ...」
この発言をしているアンソニーの声が聴こえない??
だからDVDの吹替え版に、アンソニーのこの疑問発言は無い。

英語字幕のみを視て訳していた時には、
アンソニーにすると、昼間から今日は暑いねとこぼしていたエミー伯母さん
だから少し涼しくしただけなのに…というアンソニーの問いかけ発言
幼いアンソニーに、気温と作物収穫との関係は判らないし
天候の細やかな制御はまだ出来ないことを感じさせる大事なシーン

英語字幕師の幻聴(期待から来た妄想)なのか??はあり得ないから、
英語字幕師の視た当初の動画にこのシーンはあったけど、
何かの事情でカットされたセリフなのか!?!?
入手した英語動画にもこのセリフは無い。
英語字幕でのみ確認できた幻のセリフだ!!
動画にはアンソニーでは無く父親と母親のシーンがあり
そこにはセリフの途切れるシーン、少しの空白時間がある。
挿入するとしたらその時間しかない????
今回の翻訳で一番不可解な謎がこの"幻のセリフ"!?!?

7《「!」「?」の使い方は》2/13追記
英語字幕には「!」「?」が適宜使われている。
一段落つけて終了してから、2/12の今、初めて字幕の全面的な修正をしている。
そこでようやく気付いたのは、英語字幕師は声の強度やイントネーションなどで「!」「?」の符号を使っているだけ。
会話に耳を傾けている字幕師に「!」「?」は聴こえていない(見えない)。
元々、字幕を無視して適宜「!」「?」を付けていたけど、
元版英語字幕に「!」「?」が有るのかどうかは、ずっと気になっていた。
強調したい時には英語字幕は無視して「!」「?」を使いましょう。気にすることは全く無かった。(杓子定規の私がそう気付くのは少し遅かった)

気に入ったジェローム・ビクスビーの短編小説「きょうも上天気(日々是好日/愉しきかな人生)」
それがミステリーゾーンでドラマ化されていると知り探してやっとDVDを入手
今年になってから色々と調べ始めた「ミステリーゾーン」
そして気になりだしたのはロッド・サーリングによる脚本
こんな経過で、英語字幕の翻訳に挑戦することになった。
英語キライ、英語苦手と英語文にはあまり近づかないようにずっと過ごして来たというのに…



好きな小説、好きなテレビドラマは気になるもので
異才の脚本家ロッド・サーリングにもっと近づくために
どんなセリフの脚本を書いたのか!?!?
あの原作をどんな発想・構成で料理したのか!?!?
この意味で、翻訳の初挑戦は大収穫であった!!
何せロッド・サーリングの"息吹"を感じられたのだから


ブログ連載記事一覧
◎TVドラマ英語字幕の翻訳に初挑戦(part1)、この起因は狩撫麻礼さんのマンガ原作にあった!!**2019年02月05日
http://yumenoya.seesaa.net/article/464003458.html
◎TVドラマ英語字幕の翻訳に初挑戦(part2)、活躍したのは「Google翻訳」と表ソフト「Excel」**2019年02月07日
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◎TVドラマ英語字幕の翻訳に初挑戦(★番外編)、次週(次回)予告ナレーション(英和対比)、ミステリーゾーン「It's a Good Life(こどもの世界)」**2019年02月08日
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◎TVドラマ英語字幕の翻訳に初挑戦(part3)、字幕編集ソフト「Subtitle Workshop」時間ズレも《追記で増殖中》画像付き説明など**2019年02月08日
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◎TVドラマ英語字幕の翻訳に初挑戦(part4完)、感じた事、気付いた事など「こどもの世界」◆ネタバレ有り◆**2019年02月11日
http://yumenoya.seesaa.net/article/464101179.html
(※part4完の校正は投稿してから、チンタラとやる事としよう)
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《2/12追記》
昨夜はいつもより早めにベッドへ
ベッドで読んだのは朝ベッドの続きの短編
ヘンリー・カットナー「トラブル・パイル」(『SFマガジン・ベストNo.4』(1964年)収録)
この作品を読み返すのは学生時代以来だから、何も記憶には残っていない。
40年以上も前の時の評価ランクマークは単なる✔
午前3時近くに目が覚めたので、また続きを読んだ。
"トンデモ"無〜い超能力一家の馬鹿々々しい話で
今回の評価は△にアップした。
(アンソニー坊や同様に、"ホグベン一家"の能力の底は果てし無し。想像不能だ)
読み終えて思いめぐらしていたのは「It's a Good Life」のこと
それで続きを書こうとベッドを抜け出し起きて…
7《小説は3歳だが、TVドラマは6歳の設定》疑問の氷解だ!!本懐じゃ
原作は3歳の設定。
怪物の不気味さでは3歳の方が優るのに、何故6歳にしたのかがずっと気になっていた。
6歳を演じる子役は居ても、3歳となると子役探しは難しいのかなという思いだった。
単純に相応しい子役の存否の問題だと感じていた。
映画版だと11歳?の設定だから、怪物の不気味さ・凄みはより薄れてしまっている。
(小学1年生と6年生とでは、それも当然だ。少し大人になった怪物にならざるを得ない…)
これが設定年齢に対する私の感想であり評価だった。
小説の3歳は何も語らない、一言も(ほとんど)言葉を発しなかったはず。
サーリングは考えたのだろう…
テレビドラマとなると会話できる年齢にしないと
ドラマに厚み、ドラマの奥行きが出せない…
小学校に入学する頃の6歳にしよう…
そして村の大人たちと会話させよう…
これで原作には無い別の"凄み"が出せる!!
こうサーリングは気付いた!!

そしてサーリングの脚本を書くペンは進んだ…
タイプライターを打つスピードは増した…

そう考えた私はわざわざ起きて今追記のキーを叩いている
DVDを初めて視た時からの長年の疑問は氷解した!!
(長年はチト大袈裟で、2015年7月26日ブログで「ミステリーゾーン」に触れたのが最初)
これも英語字幕を翻訳しようとしたから・・・・・・
英語苦手を標榜していた私が字幕翻訳に挑戦した甲斐があったというものだ
(たとえ、実態がそうじゃ無かったとしても、構わない。大事なのは私の印象なのだから)
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《追記》
ミステリーゾーン「こどもの世界」のファンならば、
ご存知の「続・子供の世界(IT'S STILL A GOOD LIFE)」…あれから40年後
6歳だったアンソニー坊やも女の子(オードリー/6歳ぐらい)の父親という設定だ
一応続編という設定だが、原作者ビクスビーと元版サーリングとは
直接何の関係も無い2003年の新トワイライト・ゾーンの中の一作品
相も変わらずの暴君のまま大人になった 娘が一番大事のアンソニーだが
アンソニーを超える能力を発現した娘が選んだ新たな道は……このラストのシーンだけは面白い
念のため脚本担当はIra Steven Behr(アイラ・スティーブン・ベ) ←知らない
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《2/12追記 不思議な縁》
何度も色んなアンソロジーで読んでいたジェローム・ビクスビーの短編小説「きょうも上天気(日々是好日/愉しきかな人生)」を特に意識するようになったのには、一本の映画が介在していた。不思議な縁(えにし)…
その映画は「The Man from Earth」(2007)
★地味だが傑作映画「マン・フロム・アース The Man from Earth」1万4千年生きている男/SF/何故か日本語字幕DVDが未発売(音声ブログ3)***2012年11月17日
http://yumenoya.seesaa.net/article/394425702.html
かなり前に視た映画のタイトルが思い出せないので困り、Q&Aサイトokwaveで質問し助けてもらって、タイトルが判明した。
この映画については、ブログで何度も記事にしているが、
「2012年にブログで語った時にはまだ知らなかったのですが、映画には原作者がいて、それが"ジェローム・ビクスビー"だったのです」(2015年7月26日)
短編小説とこの映画という結び付きがなかったら、ミステリーゾーン「こどもの世界」を字幕翻訳まで追いかけることは無かったような気がする。不思議な運命……(ベッドの中でそう考え追記しようとメモしておいた)
(追記:昨年、外付けハードディスクがクラッシュし全てのデータが消えたけど、この映画についてはDVDに保存していた。それを確認したら2008年動画。この映画は気に入ったので何度も視ていたけど、忘れてしまい、okwaveに助けを求めたようだ)

《追記》
念のため動画の時間を確認してみた。
英語動画は24分48秒、DVDは24分46秒(目で確認した再生時間の差)
エンディングクレジットの収録差もあるだろうから、同じ動画で間違いは無いだろう。

posted by yumenoya at 21:59| Comment(0) | 映画、テレビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする