2017年09月18日

◎メビウス画/ホドロフスキー作『L'INCAL アンカル』を読んだが…一度では…本の構成、ジャン・ジロー

先日、昔のTV番組「ミステリーゾーン(The Twilight Zone)」の原作情報を探して、
ネットをウロウロしていた時に、
月刊スターログの中にメビウス「落ちる」掲載の記事が目に留まり、
今度は方向が変わって「メビウス」でウロウロし始めた。
メビウスの綺麗なイラスト画像がたくさん見つかり、
惚れ惚れと色んなのを眺めていました。
その中に日本語訳のコミック本『L'INCAL アンカル』を紹介した記事もありました。
次にYouTubeを検索したら英語字幕のBBC番組も
「In Search of Moebius (BBC 4 Documentary)」
言葉は不明だがイラスト画像も多かったので、暫し堪能…

更に念のため地元図書館で「メビウス」と検索したら17冊がヒット
17冊の中にあったのが下記の本
○アンカル(ShoPro Books)アレハンドロ・ホドロフスキー 小学館集英社プロダクション
その書名部分をクリックしたら詳細ページに「メビウス/画」と記載
何と!!図書館でメビウスのマンガを蔵書してあったのです。驚き!!
前段の記事を読んでいなかったならば、
メビウス画のマンガだとは気づかずにスルーしていた…

この本を借りて来たのは9/15(金曜)のこと。
まるで豪華な高価な美術書のよう…
○メビウス(本名ジャン・ジロー)画/アレサンドロ・ホドロフスキー作/原正人訳『L'INCAL アンカル』(小学館集英社プロダクション/2010)
(定価(本体)3800円/19.7×25.8cmハード(B5判より横少し広く縦少し狭いサイズ)/マンガはオール・カラー/)

本書は約1.1kgと重いのと、セリフが多くて文字の大きさも小さいので、
近眼の私はメガネをはずして、ほとんどベッドでうつ伏せになって読んだ。
セリフが多かったのとスケールが大きくて難解な展開の話なので、
日本のマンガのようにパラパラとめくって簡単には進めない。
それと日本のお約束だと回想シーンは角枠ではなく丸角枠にするとか
パッとみたら即時間が違うのを理解してどんどん進めたのだが、
本書は角枠だったので、あれっこのつながりはどうなっているの?
と立ち止まり戻って確認してからやっと進むことができた所がある。
更にはト書きのような説明が全くかほとんどか無かったように思う。
ゴルゴ13だと社会・経済・政治などの情勢を説明する文章があるけど、
『L'INCAL アンカル』は会話と絵だけで読み取ってください、のようだ。
フランスのマンガって、説明文をあまり挿入しないのが普通なの!?
ナレーターのいないテレビドラマだと、映像と会話だけで充分だけど、
そんな映画的なイメージの『L'INCAL アンカル』を意図したのか!?
宇宙船が出てきてワープ…、新たな星を出てきて…
場面の世界は急に変わるのだけど、新たな世界についての説明は何も無い。

濃厚な会話と緻密な画面、そして作品の描いている世界が複雑、
ということで、第一回目を読み終えるのに、金土日とかかった。
日本の310ページのマンガだと、すらっと読めてしまうのが多いけど、
この『L'INCAL アンカル』の世界観を頭の中で少し整理するのには、
3回は読まなくっちゃならないかな、と感じている。
(少し安く古本を入手できるのなら、手元に欲しい本だ)

作品の内容について少し語れるのは、まだまだ先のことで、
ブログで書くかどうかも未定だが、
本書の構成については後述するけれど、収録の「メビウス略歴」を読んで、
今までのメビウスとの微かな接近について整理しておこう。
最初に名前を知ったのは、谷口ジローのマンガの「あとがき」のようだ。
○谷口ジロー「可愛い死神(ハンティング・ドッグ)」廣済堂コミックス/バイオレンス・シリーズ/1985初、B6
★(店主)著者あとがき(4ページ)では、ジャン・ジロオやメビウス(後にジャン・ジロオと同一人物であることが判明)の作品との出合いやその影響、本作発表当時に映画「ブレード・ランナー」が公開され頻繁に映画館へ足を運んだ思い出などを語っている。そして著者初めてのSFマンガへの挑戦となったと。『ハンティング・ドッグ』の再刊版です。
(※引越しダンボール箱のままなので、『ハンティング・ドッグ』(廣済堂/1982)にこの「あとがき」があるのかは不明)

○谷口ジロー/画、メビウス/作「異?(上下の合体文字)力―イカル」(美術出版社/2000/第一部完結/未完/『週刊モーニング』連載)
★浮遊感のストーリーは面白かったと記憶(引越しダンボール箱のどこか)

○メビウス「シルバーサーファー」(2005年11月の通販リストに下記を掲載)
●「マーヴルクロス(MARVEL X) NO.01」小学館プロダクション/マーヴルスーパーコミックス/1996初、B5/(メビウス・画)シルバーサーファー#1(前編)
●「マーヴルクロス(MARVEL X) NO.02」小学館プロダクション/マーヴルスーパーコミックス/1996初、B5/(メビウス・画)シルバーサーファー#2(後編)/メビウス自作を語るP4
「シルバーサーファー」が面白かったらば手放していないはずだから…

○2007年公開映画『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』
★敵役としてシルバーサーファーが登場
あまり面白くなかった、シルバーサーファーというキャラに魅力が無かったと記憶

外国マンガで昔集めていたのは、四コマがメインで、
いわゆるアメコミには関心が無かった。
もう売ってしまったが、ストーリーマンガで記憶に残っているのは次の2冊のみ
○「バンピレラ VAMPIRELLA 月刊スターログ日本版別冊」ツルモトルーム、S54.10/15
★(収録内容)表紙画及びカラーピンナップ:ホセ・ゴンザレス/バッド・ルイス作 ホセ・ゴンザレス画「バンピレラの誕生」P15/アーチー・グッドウィン作 ホセ・ゴンザレス画「暗黒の天使」P20/フェルナンド・フェルナンデス作・画「真相─異端審問」P10/ビル・デュベイ作 ホセ・オルティス画「最後の宇宙戦争」P16/ハーラン・エリスン作 ニール・アダムズ画「ロック・ゴッド」P13/ビル・デュベイ作 ネボ画「第4種接近遭遇“女子寮篇”」P9/バッド・ルイス作 アレックス・ニーニョ画「時のよどみでオーパ!!」P9/ブルース・ジョーンズ作 リッチ・コーベン画「超越瞑想」P10/E・A・ポオ作 バーニ・ライトスン画「黒猫」P12/ニコラ・クティ作 エステバン・マロート画「ハニデュー・メロンの物語」P8/ジェフ・ジョーンズ作・画「追跡」P7/筒井康隆・原作 生頼範義・画「幻想の未来」P8/大友克洋 作・画「DON QUIJOTE ドン・キホーテ」P12/イラスト(ニール・アダムズ、(以下カラー)ケン・ケリー、フランク・フラゼッタ、リチャード・コーベン)/裏表紙画サンジュリアン、帯に推薦の言葉を寄せた人:手塚治虫・松本零士・永井豪・モンキー・パンチ・池上遼一・加藤直之
○「バンピレラNO.2 VAMPIRELLA 月刊スターログ日本版別冊」ツルモトルーム、S55.1/15
★(収録内容)表紙画:ホセ・ゴンザレス/カラーピンナップ:生頼範義、フランク・フラゼッタ、サンジュリアン/エドガー・アラン・ポー原作 リチャード・コーベン画「カラス」カラーP8/アーチー・グッドウィン作 ホセ・ゴンザレス画「カオスの花嫁」P20/ビル・デュベイ作 ホセ・ゴンザレス画「ドラキュロンの狂王」P12/ビル・デュベイ作 ホセ・ゴンザレス画「死して嫁ぐ」P12/ネボ作・画「ジャーキル博士の奇妙な冒険」P5/ラリィ・アイヴィ作 フランク・フラゼッタ画「人狼」P6/ビル・デュベイ作 アレックス・ニーニョ画「シスターズ」P8/ウォレス・ウッド作・画「神を殺す!」P8/ウォレス・ウッド作 ラルフ・リース画「火星のジャンク・カーター」P7/ジム・ステンストラム作 ニール・アダムズ画「狙撃手の休日」P8/H・P・ラブクラフト原作 バーニ・ライトスン画「冷気」P7/ホセ・ベア作・画「呪われた花」P10/ネボ作・画「浄罪」P3/ビル・デュベイ作 ジム・ハネス&ルディ・ネブレス画「オマールの首をとれ!」P6/ブルース・ジョーンズ作 ゴンザロ・マヨ画「究極の絵画」P10/武田秀雄 作・画「ケルベロスとサムソンの末裔」P4/萩尾望都「月蝕」P12/イラスト(バーニ・ライトスン、ホセ・ゴンザレス、ニール・アダムズ)/裏表紙画:エンリク
(今思い出しても惜しかった2冊だ。換金を急いでいたか…?)

ということでフランスというかヨーロッパに関心を持つことは今まで無かった。
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◎メビウス画/アレサンドロ・ホドロフスキー作/原正人訳『L'INCAL アンカル』(小学館集英社プロダクション/2010)の構成
全体の目次構成は次の通り(目次があるのは「アンカル日本語版特典」のみ)
(2回目以降はエクセル表にメモしながら読む予定なので必要だから整理した。読み解くぞ)
(※(タイトルは黒文字/小タイトルは黒文字)などは作者構想の現れだと感じたので私のメモです)
★INTRODUCTION 小野耕世 ようこそ、『アンカル』のめくるめく内奥宇宙へ

★[第1章]闇のアンカル 1981(タイトルは黒文字/小タイトルは黒文字)
赤い輪の夜/アンカルの舞踏会/オフィディテ大統領閣下/テクノ・サイエンス/メタ・バロン/
★[第2章]光のアンカル 1982(タイトルは白文字/小タイトルは黒文字)
闇の卵/"内なる外"の恐怖/アニマ/ノイローゼ階級の闘争/アンペロラトリス
★[第3章]下なるもの 1983(タイトルは白文字/小タイトルは黒文字)
サイコ・ラット/ゴミ捨て場を超えて/黄金惑星/クリスタルの森/変容の扉
★[第4章]上なるもの 1985(タイトルは白文字/小タイトルは黒文字)
ヴィタヴィル H2O/クラゲ作戦/接近!/帝室の結婚式/闇のウイルス
★[第5章]第五の本質―第一部:夢みる銀河 1988(タイトルは白文字/小タイトルは黒枠の白抜き文字)
人間ならざるもの/ありのままの闇/夢見る銀河/
 ※コマ枠の無いはみ出しページ多し
★[第6章]第五の本質―第二部:惑星ディフール 1988(タイトルは白文字/小タイトルは黒枠の白抜き文字)
1にして78兆/切れ!/闇の輪
 ※コマ枠の無いはみ出しページ多し
★[特別収録]ソリューンの誕生 1989「L'INCAL」の解説本に掲載

★アンカル日本語版特典
●メビウス略歴
●メビウス主要作品リスト
●古永真一 『アンカル』とその時代
●柳下毅一郎 昔の映画『アンカル』
●[特別対談]谷口ジロー×藤原カムイ
●原正人 訳者あとがき


図書館の本には付いていないが
帯には大友克洋・松本大洋二人による推薦の言葉があるらしい。
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2017年09月10日

◎一ノ関圭「鼻紙写楽」の新作「菊之丞」(増刊連載)の雑誌購入のてんやわんや、ヨドバシ.comの今の"日本全国配達料金無料"は魅力《9/14追記》

今回は新作の内容についてではなく、入手・購入でのてんやわんやを書く。

騒動の開始は6月に入ってからだった。
秋田の美和剛さんから突然電話が入り、早速スカイプを開始。
「鼻紙写楽」シリーズの新作掲載のビッグコミックの増刊号が既に発売。
ところがその雑誌は品切れで入手できない。
何かその入手方法はないか、というものだった。

私も新作掲載雑誌の発売そのものを知らなかったので、
慌ててネットを検索した、キーワードを色々組み変えて…
一ノ関圭さんの場合、連載したものが単行本になるのを待っていたら、
寡作の人ですから、単行本が何年後になるのかは判らない。
5年後かも…
雑誌に掲載された時に入手して置かないと…

(菊之丞その一)5/17発売(ちーとも発売を知らなかった)
そしてやっと見つけたのは、アマゾンでした。
「ビッグコミック増刊2017年6月17日号」
その代金は新刊390円+送料257円と新刊本屋より高くついた。
秋田の美和さんには送料はかかるけど、アマゾンにあったよとメール連絡。

今アマゾンで確認したらプレミアム価格になっているから、
本体は定価で買えたからまあまあセーフとすべきか(販売:安売りmax)。

3回の集中連載と広告にあったので、
7月と9月の発売に気を付けないと…

(菊之丞その二)7/14発売
「BOOK SHOP 小学館」によると2017/07/14発売
市民生協の建物にある新刊屋へ行ったのは
安売りの食料買出し日の火曜18日。
無い…そんな…店員に確認すると、そもそも入荷していない可能性も…
雑誌の種類は多いし、増刊号なども色々あるからネー…
ガックリの帰途、二つのコンビニに寄るが、
雑誌コーナーのあまりの狭さに愕然、あるわきゃないよー

戻ってネット検索
今度は送料のもっと安いところがないものかと検索したら、
何と送料無料!?というのがヒットしたので早速注文、即発送7/18
ヨドバシ・ドット・コム「ビッグコミック増刊 2017年 8/17号 [雑誌]」389円
(何故に送料無料なのかは不明。書籍の取り扱い開始の宣伝??)

(菊之丞その三)9/15発売(予定)
今度は少し離れたセブン・イレブンへ行くことも検討したが、
入荷するかどうかを電話で確認するのも面倒だと、
今回もヨドバシ・ドット・コムを覗いてみたら、ありました。
389円(ただいま予約受付中!)
★ビッグコミック増刊 2017年 10/17号(雑誌) ヨドバシ.com
http://www.yodobashi.com/product/100000009002850933/

アマゾンは雑誌の予約はやっていないようだし、
お膝元「BOOK SHOP 小学館」にも今後の予定雑誌はまだ無い。
"日本全国配達料金無料"なんてどっちもやっていないしね。
だから9/15発売を9/8に早速申し込みましたが、
前回12円のゴールドポイントがあるので、実質377円の支払い。
早ければ9/17(日曜)、遅くても連休明け9/19(水)に届くはず。
(なお「お一人様1点限り」とあるので、リピート客が狙いの配達料金無料か)
(アマゾン取り崩し戦術かな??)
またいつか一ノ関圭の新作が掲載される時、
その事前情報が無いことには予約のしようが無いけど、
ヨドバシ・ドット・コムを憶えておこう。いつまであるのか送料無料…

なお、人気の雑誌ならばともかくも、少しマイナーになると、
その購入では、石狩市は少し田舎かも知れない。
都会に住んでいて、自宅、会社、学校のそばに、買い物路、通勤路、通学路に
それなりの本屋があったならば、こんな"雑誌購入のてんやわんや"は起きないのだろうが
田舎に暮らしていたら重宝なのがネット通販だ、書籍に限らず…
(私の場合、大通り駅に出るのに、バス370円+地下鉄250円、その往復で1240円かかる。
この運賃だけを考えても、通販送料を払っても往復時間の節約でネット通販が楽チンとなる)
アマゾンには註文2000円以上で送料無料はあるけれど、ヨドバシ・ドット・コムの方が安そう
"日本全国配達料金無料"のヨドバシ.comは魅力!!(安い小物でも)

「菊之丞」全3回分が出揃ったならば、作品についての記事も書くかな????

ネットで雑誌を探す時
色んなタイトルがあって様々
◆アマゾン「ビッグコミック増刊2017年6月17日号」
◆BOOK SHOP 小学館「ビッグコミック 増刊 8/17 8/17号」
◆ヨドバシ.com「ビッグコミック増刊 2017年 10/17号(雑誌)」
単行本と違い、雑誌の場合、取扱店の数だけ表記があるのかも
それが古本屋と個人が参戦するヤフオクになると、変化に富んだバラバラとも言えそうだ。
だから古雑誌を探す時には、キーワードを色々に組み合わせる必要があることになる。
年月日の書き方、数字は全角か半角かなどが探す時のネックになりそうだ。
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《9/14追記》発送通知
ヨドバシ・ドット・コムから、9/14の17:03送信「ご注文商品出荷のお知らせ」メール届く。
「日本郵便 ゆうパック」で発送とのことだが、
どんな契約なのかは知らないけど、これで儲かるのかしら…
9/15発売(予定)ということは、東京は前日夕方には入荷するのだろうか
北海道は発売予定の一日遅れで入荷していたはずだが…
早ければ9/16(土)に届く
posted by yumenoya at 22:43| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月29日

◆最近面白かった本などの覚え書き(朽ちてゆくまで/日本改暦事情/脳の健康/神狩り2/天地明察)part1

下記シリーズ第4巻に収録の宮部みゆき「朽ちてゆくまで」が面白かったので、
返却時に次の第5巻を借りた。(図書館には第4巻と第5巻の2冊のみを蔵書)
◎宮部みゆき「朽ちてゆくまで」
交通事故で両親を亡くし幼い自分だけが助かり祖母に育てられた女性。
その祖母が亡くなったので、家を処分しようと家財道具を整理していたら、
8mmフィルムやビデオテープの詰まったタンボール箱が出て来た。
そこに映されていたのは、まだカタコトしか話せない幼い自分。
うっすらとしか残っていない父母は、怖い夢で怯える幼子から
いったい何を見たのかを聴き出そうとしているしているらしい……
こんな設定の話は初めてだったので、面白いです。(2か月前なので記憶違いは勘弁)
別のアンソロジー・シリーズだったけど、
監視カメラの姿をした宇宙人が人間を観察しているらしいという宮部みゆき短編も残っている。
宮部みゆきさんには、こういうSF短編集はあるのだろうか。

◎「日本SF短篇50 V:日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー」
この第5巻を読み進みながら考えていたのは、
これだけ粒ぞろいの密度の高いアンソロジーはかつてあっただろうかという驚きだった。
エドガー賞もヒューゴ賞の短編集も私の好みに合えばこれは面白い作品となるけど、
自分にフィットしないと大したことないなとなる。
図書館で借りた本の目次に4段階評価マーク(◎○△・)は書けないけど、
◎はめったに無いし、○も少ないのが普通だ。
もう一度読み返したい、またいつか再読したいのが◎○マークとなる。
今までの記憶では、こんなに評価の高い作品が揃ったアンソロジーは記憶に無い。
あくまでも私の好みではだから、他の人がどう評価したのかは不明だし知らない。

アンソロジーを読むのは、編者のオススメ作品は何かな!?と思うから
この編者なら私好みの作品がたんさん収録されているかも知れない!?
知らない作家との出遭いはそれが縁でその作品を追いかけることもある。
作者紹介や作品解説で似たようなジャンルの他の作品に触れていることもある。
私の場合はSFかミステリーが多いけど、アンソロジーは出合いの宝庫だ。

(カバー裏表紙の解説)「日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー第5巻。吉川英治文学新人賞受賞作『天地明察』の原型となった冲方丁「日本改暦事情」、
日本SF大賞受賞作『華竜の宮』と同じ世界を描く上田早夕里の傑作「魚舟(うおぶね)・獣舟(けものぶね)」、
伊藤計劃『虐殺器官』のスピンオフ「The Indifference Engine」、瀬名秀明が物語を読むことの本質を問う「きみに読む物語」など、
2003年から2012年に発表された10篇を収録。ゼロ年代から現在に至る日本SFの豊饒を届ける。」(ハヤカワ文庫)

(私の評価マークは4段階◎○△・)
・林譲治「重力の使命」2003
◎冲方丁「日本改暦事情」2004
◎高野史緒「ヴェネツィアの恋人」2005
○上田早夕里「魚舟・獣舟」2006
◎伊藤計劃「The」Indifference」Engine」2007
○小川一水「白鳥熱の朝に」2008
△飛浩隆「自生の夢」2009
△山本弘「オルダーセンの世界」2010
◎宮内悠介「人間の王」Most」Beautiful」Program」2011
○瀬名秀明「きみに読む物語」2012

これら作品には覚え書き的なキーワードと短評メモを残すつもりもあったけど、
そんな書く時間があったら、別の短編集を読んだ方が、ということで返却してしまった。
来年また借りた時には……

でも記憶でちょこっと紹介
一番不思議な世界を描いていたのは
○上田早夕里「魚舟・獣舟」(これも記憶違いは勘弁を)
陸で生活する人間と海で暮らす人間の二種類がいる。
海人間たちは生きた魚舟(大きな船)に乗り込んで暮らしている。
海人間が妊娠したら、二卵?双子で生まれる
人間と魚という双子、魚の方は生まれるとすぐに海に放される
その人間と兄弟姉妹の魚とが成長してから出遭ったならば
魚は"魚舟"となって人間たちの棲家でもある船となる。
当然、兄弟姉妹の人間に出遭えなかった魚もいる。
だがもし人間がまだ成長していない自分の片割れの魚を傷つけた場合、
傷ついた暴れ熊?"獣舟"はどうなるのか!?
これはちょっと魂消た世界を見せてくれました。
こういう発想って何なのでしょう!?

◎冲方丁「日本改暦事情」
巻頭の作者解説に長編「天地明察」の元となった短編と…
(昔TVが常時点いてた頃、映画CMで見た記憶有り)
その面白さにワクワクしながら読んでいた時も
江戸時代の算術と暦作りとを描いた作品が何故に、
2004年を代表するSFなの……と思っていたけど、感じていたけど
不思議に出合って驚く感覚(センス・オブ・ワンダー)
「日本改暦事情」って正にこの世界を描いています。
この作品を2004年を代表するSF作品と押した人、それを通した人たちはエライ
もしこのアンソロジーに「日本改暦事情」が収録されていなかったならば、
「天地明察」との出遭いはまだまだずっと先のはなし
「天地明察」とは出合っていないパラレルワールドも…

今回は一応読書順序に沿って書いていますので、
登場はブログのラストとなりますが、
このアンソロジーに触発されてまず読みたいと思ったのは「天地明察」

◎生田哲「脳の健康―頭によいこと、わるいこと」(ブルーバックス)
これはブログに書いた8/10のスカイプ仲間宴会の前にブックオフで入手したもの。
手術と入院から10年も経ったけれど
クモ膜下出血と脳出血だったので、脳卒中と脳に関する本があると手がでてしまう。
ド素人にはイメージするのが難しい脳の成長をイラストでみせてくれた。
例えば、大脳皮質の6層構造は文字だけではなかなかイメージできなかったけど…

この本について書くのが初めてかも知れないので
去年今年春に読んだ本にもついでに触れておこう。
自分の知らない内に頭蓋骨を開けられ手術されてしまった人間は
その時に自分はどんな状況だったのかはとても気になるものだ。
執刀する脳外科医が解説した本として次の「脳外科の話」は読みごたえがあった。
◎神保実「脳外科の話」ちくま新書

ついでに次の本はリハビリ退院後の割と早くに読んだ本だけれど、
クモ膜下出血の手術・手順を描いたピカイチです。
自分にどんな手術が行われたかが気になったら、読むのはまず本書です。
◎「知りたい脳 脳と心はどこまでわかったのだろう?」文春文庫ビジュアル版
現物本が手元に無いけど、頭蓋骨を切って開け、動脈瘤をクリッピングする詳細までも

酔ってきたので、ここまででpart1としよう
part2がホントにあるのかは本人にも不明
次の予定は脳関連でもないがまず
山田正紀「神狩り2」(ハイデッガー部分は飛ばしたけど面白い)
冲方丁「天地明察」(緯度調べは判るが!?最初のパズルで失敗)

ここまでは酔ってエイヤー投稿
ラベル:脳卒中
posted by yumenoya at 01:47| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月29日

◎諸星大二郎の回文漫画「加奈の失踪」、諸星さんの新たな一面を見せる実験マンガ

一昨日7/27は「完本・寺内貫太郎一家」などを返した時に、
3冊のSFアンソロジー(文庫)を借りて来た。
「折り紙衛星の伝説―年刊日本SF傑作選」(創元SF文庫/2014年の日本SF短編から)には
私の好きなマンガ家2作品が収録されていたので、まずはマンガだけを読んだ。

星野之宣「雷鳴」38ページ
竜脚類(恐竜)の特異な肉体構造についての推理ドラマ。
な〜るほどネ

諸星大二郎「加奈の失踪」10ページ(『新装版 栞と紙魚子2』に描き下ろし収録)
どこがSFなのと思いながら読み進む、けどセリフも変だし…すると
最後ページの下欄「↑この漫画は回文になっています。ここから逆さに読んでみてください
回文ってどういうこと!?!?

セリフを少し対比してみると下のようになりました。(諸星さんの悪戦苦闘が…)
「今栞(いましおり)……」「ワオ!」「加奈(かな)は?」「来るわ」「花(はな)か」「く……」「かっこいい」
(ラストから逆に)「おしまい」「おわり?」「加奈(かな)は悪(わる)くはなか[った]…」「いい骨格(こっかく)」
(一番大きなコマの回文)魚籠の中に加奈の首(びくのなかにかなのくび)

このセリフの作成難度は半端じゃないよー!!
さらに絵になって一応ストーリーとしても繋がらないと……
苦労のほどは現物の作品で確認願います。(買うか借りるか…)

「栞と紙魚子」って、とぼけた味のちょっと怪奇なシリーズものだが、
回文漫画という実験が評価されて本アンソロジーに収録されたのでしょう。
これがSFかどうかは、諸星ファンにはどうでも良いことだ。面白ければ
これを読む機会(出合いの場)を提供してくれた編者さん達に感謝です。

回文のセリフとそれをコマでどう繋ぐかで悩んでいる諸星さんを想像すると
微笑ましくって、諸星さんにこんな一面があったとは……
結構馬鹿々々しくって面白い作品だから、諸星さんイメージとのミスマッチがイイ

マンガの次に取りかかったのは別の文庫「日本SF短篇50 V」
実は「日本SF短篇50」V:日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー」を書くつもりで、
パソコンに向かって打ち込み始めたのだが、
先に読んだ諸星大二郎「加奈の失踪」を避けては進めないなということになった。

粒ぞろいで驚いた「日本SF短篇50 V」については、次回に回すこととした次第
その次回はいつになることやら、ほんとうに訪れるのか
面白い作品集を紹介するのって結構大変
読みたくなるように書かないと紹介する意味は無いから
返却までには何とかしないと
posted by yumenoya at 11:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月26日

◎小説「完本・寺内貫太郎一家」(向田邦子ほか)とTVドラマ、「続・寺内貫太郎一家」、樹木希林(悠木千帆)ファンも是非に《7/27追記》樹木希林のジュリー〜動画

TVドラマ「寺内貫太郎一家」(1974年1月16日〜同年10月9日)は学生時代に何度か視たことがある。
悠木千帆(樹木希林)演ずるばあちゃんが、沢田研二の大きなポスターの前で「ジュリー!!」と叫んでクネクネ(身悶え)する定番シーンが好きでした。
 (この「寺内きん」というキャラは今読んでも光っています)
 (向田邦子の創造したキャラを、悠木千帆の怪演がパワーアップしてその存在感を累乗高めた)
また定番は小林亜星の親父と西城秀樹の息子との食事時の喧嘩シーン
女性陣は喧嘩が始まると「またか」と速やかにテーブル(ちゃぶ台/卓袱台)を移動する。
この移動が間に合わないとテーブルはひっくり返されるのだ。
 (アニメ「巨人の星」の一徹か??)
篠ひろ子演ずる小さな飲み屋のママは色っぽかったなあ。
その頃、このドラマの脚本家・シナリオライターは誰なのとは全く意識していなかった。

サラリーマンになってからは、学生時代以上にテレビドラマとは疎遠になったけど、
意識して視ていた脚本家とドラマは、早坂暁(夢千代日記)と
倉本聰(うちのホンカン、前略おふくろ様、日曜劇場の単発(幻の町など))
山田太一(男たちの旅路)ぐらいか。
だからあの「北の国から」はもちろん、話題となったTV連続ドラマは全て観ていない。
そもそも毎週と言われても…ビデオを買ってから録画したとしても…
私の生活には合いませんね。
今少し気になるとしたら、マンガ原作者・狩撫麻礼の作品がTVドラマ化される時ぐらいだ。

TVドラマとはあまり縁がなかったので、
向田邦子という名前を少し気にするようになったのは、
亡くなってかなり経ってからだと思う。
評判がすこぶる良いので、ドラマのシナリオなどをやっと買って読むようになったけど、
あまり私の好みではないなとずっと感じていた。
感性とか人生観とか人様々ですから受け止め方にズレがあるのは当然。
「寺内貫太郎一家」だけは少し違う印象だった。

向田邦子さんをブログで記事にしたのは、古本通販リスト以外では、たった3回。
★「言語によるバーチャル・リアリティ」落語、面白かった本・TV番組・映画ことなどをまとめて***2006年09月03日
http://yumenoya.seesaa.net/article/394425551.html?1501065834
 ●8/27NHK教育 劇場への招待「びっくり箱−姉妹編−」
★最近読んだ本から PART1***2006年10月19日
http://yumenoya.seesaa.net/article/394425560.html?1501065524
 ●向田邦子「愛という字―東芝日曜劇場名作集 (向田邦子・脚本のTBS・TVドラマを中野玲子が小説化)」ラインブックス
◎松本清張/向田邦子「駅路/最後の自画像」(向田による脚色/ネタバレ有り)五つ星☆☆☆☆☆***2017年07月01日
http://yumenoya.seesaa.net/article/451392652.html?1501066025

小説「寺内貫太郎一家」はかなり前に読んだはず(文庫版)だけど、
今回取り上げる「完本・寺内貫太郎一家」のあることを最近まで知らなかった。
あの「寺内貫太郎一家」の続きが読めるぞと図書館から借りてきたが面白かった。
この「寺内貫太郎一家」シリーズはまさに私の好みでした。☆☆☆☆☆
寺内貫太郎1.jpeg
寺内貫太郎2.jpeg
寺内貫太郎3.jpeg
「完本・寺内貫太郎一家」の奥付によると2013年の発行とかなり最近の話。
文庫版小説「寺内貫太郎一家」は1983年ですから30年以上のブランク。
 (初出の単行本書き下ろし(1975年)からだと40年以上)
それを烏兎沼佳代さんの構成により完本として小説が完結したとのこと。
 (書誌一覧によると、「小説新潮」(2012〜3)に12回連載)

図書館から借りてきて最初に読んだのは
「続・寺内貫太郎一家(13〜24)」(原作・向田邦子/構成・烏兎沼佳代)
次に読んだのは、ほとんど忘れてしまっている
向田邦子「寺内貫太郎一家(1〜12)」(小説家デビュー作/1975年)
笑えてホロッと泣ける良質の家族ドラマです。
会話(脚本ならセリフのキャッチボール)が、独白(モノローグ)が今さらだけど秀逸
その微妙な間と反応が笑わせ泣かせる。

今まで向田邦子作品と縁が無かった方にはオススメです。
まずは古本屋で文庫版を…(失礼、文庫まだ現役でした)
悠木千帆(樹木希林)ファンも是非一読を
今から40年以上も前に樹木希林が演じていた「きん」ばあちゃん!?!?

レンタルDVDを借りることは無いだろうとは思ったけど、
下記サイトにあった情報を使って、小説とドラマとの対比表を作ってみた。
(間違いがあってもご容赦)
★寺内貫太郎一家(ウィキペディアWikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%BA%E5%86%85%E8%B2%AB%E5%A4%AA%E9%83%8E%E4%B8%80%E5%AE%B6
検索結果: 寺内貫太郎一家(各話の短い解説付き)
http://www.catalina-ponor.info/page/2?s=%E5%AF%BA%E5%86%85%E8%B2%AB%E5%A4%AA%E9%83%8E%E4%B8%80%E5%AE%B6
http://www.catalina-ponor.info/?s=%E5%AF%BA%E5%86%85%E8%B2%AB%E5%A4%AA%E9%83%8E%E4%B8%80%E5%AE%B6
なお一枚の画像に収めるため、文字の大きさは小さくしてあります。
寺内貫太郎一家.JPG

貫太郎の娘・静江の結婚にまつわる大事なエピソードは小説化されていると思うが、
小説化に漏れたエピソードの補完小説集の予定はないのでしょうかね。
小説新潮さん、烏兎沼佳代さん
私は元版の映像よりも小説形式の方が好きです。
シナリオならもっと望ましい。

念のためアマゾンを検索したら、
Kindle版の「寺内貫太郎一家上巻 向田邦子シナリオ集 (TVガイド文庫) 」と
「寺内貫太郎一家下巻 向田邦子シナリオ集 (TVガイド文庫)」(第21話から39話)があった。
Kindle版は各1080円、対応の無料アプリをダウンロードして閲覧
「無料サンプルを送信」をクリックしたら、ちゃんと読めました。試し読みはOK
全39話が2160円で、いつでも何回でも読めるのなら安いかな……
まずは13話分が小説化されていない「上巻」がお得…

(読み直すとキリがないので、投稿してから寝酒を呑みながら推敲します)
書いていなかった事を一杯やりながら今思い出した。
向田邦子さんは何故この小説の続編を書かなかったのだろうか。
小説のラストは静江の結婚なのに…
向田さんの中ではシナリオを書いた時点で既に完結している。
それを蒸し返してまた文字(小説化)にするぐらいなら
私にはまだまだ新たに書きたいことがたくさんある、ということなのでしょう。
アイディアは色々あるけれど、カラダはひとつ…

(更に一杯やりながら)
漫才やコントだと舞台は何度もあるから、何度でも推敲できる。
テレビドラマも映画も一回こっきり。
マンガだと手塚治虫さんのように単行本の都度、書き直す人がいる。
小説でも単行本収録の時に、文庫化の時に書き直す小説家がいる。
映画監督だと一部撮り直しとか、監督カット版なんていうのもあるけど、
脚本家ってどこでどうケリをつけて渡す完成稿とするのでしょうか。
あそこはこうすれば良かったと後で思ったら、監督や演出家に進言するのでしょうか。
撮影に立ちあっていて、セリフを変えられて進行していたら、文句はいうのでしょうか。
現場での変更は当たり前だから、脚本決定稿と実際の朱書き実際稿とが存在するのは普通なの!?
となると昔のキネマ旬報に掲載されていた実際の映画で文字起こしのストーリーの会話は貴重?
今はDVDで何度でも繰り返し確認できるけれども…
セリフを変えると怒る脚本家が居るという記事を読んだ記憶もあるが
会話(台詞)での言葉の表現(言い回し)で監督に物申す、異議を申し立てる脚本家って実在するのか!?
微妙なニュアンスを表す言葉、
撮影現場での流れの中での相応しいと感じた言葉が生き残ったのだろうと思うが
現場ってどうなのでしょうかねー

と酔っぱらうとしつこくって嫌ですね、今夜はこれまで
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《7/27追記》YouTubeにあった樹木希林「ジュリーに愛を叫ぶ!!!」シーン様々
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2017年07月01日

◎松本清張/向田邦子「駅路/最後の自画像」(向田による脚色/ネタバレ有り)五つ星☆☆☆☆☆

2週間前の6/16(金)に、松本清張の短編集などを返却した時、
折角来たんだからと松本清張の単行本コーナーを一応確認したら、
向田邦子と連名の「駅路/最後の自画像」(新潮社/2009)という
原作短編と向田邦子脚本とを収録したものが見つかったので借りて来た。
今日6/30はその返却日だったので、図書館へ行ったら休刊日で(返却ポストへ)
「完本寺内貫太郎一家」を借りるつもりだったのに…残念

「駅路/最後の自画像」については、早くに書きかけていたのだが、
今日は返却前に目次やシナリオのキャストなどをスキャンしたので、
記憶で書き進みまとめることとした。
(記憶違いはご容赦を、当初はシナリオを確認しながら進むつもりだった)

「駅路」は学生時代に読んだ傑作短編集(新潮文庫全6巻)に収録されていたはずだが、
そのストーリーの記憶は全く無い。
これは先日読んだ宮部みゆき選全3巻には収録されていなかった。
元々テレビドラマはあまり観ていないから、テレビドラマはもちろん
シナリオ「最後の自画像 「駅路」より」の存在も知らなかった。
向田邦子の脚本はいくつか読んでいるが、この「最後の自画像」は記憶に無い。

松本清張原作短編と向田邦子脚本とを比較して読めるのは面白いぞ。
興味は向田邦子さんがどう料理して自分の作品としたかだ。
原作に忠実に映像ドラマ化するのでは、脚本家もつまらないだろう。
当然、それを撮る演出家も面白くないだろうし、
文字で読む読者もあまり楽しめないシナリオ作品となってしまう。
脚本家は原作小説家を唸らせる新たな作品としたいはず。
敬意の伴う創作は互いに手応えのあるキャッチボールとなるはず…
結論を先に書いてしまうが、この意味ではとても読み応えのある真剣勝負でした。

原作とその脚本とが一緒収録というのは贅沢な構成と思いますが、
この松本清張&向田邦子となると、最高レベルのジョイントです。
こんなスゴイ組合せの本が他にもあるのだろうか!?!?

私が読んだ夏樹静子の「短編小説と脚本を併載した出版界初の作品集」は下記ブログで紹介
★最近読んだ本などから***2006年07月27日
http://yumenoya.seesaa.net/article/394425541.html
「やはり並べて読むと、原作と映像化されるドラマは全く別物なんだなということが良くわかります」
私が読んだのは、アマゾンによると「夏樹静子サスペンス劇場―テレビドラマ化推理小説集 (光文社文庫)」の新書版かな。

さて、まず原作短編「駅路」から取りかかり、次に脚本を読んだ。

書きかけた当初は、ネタバレをしっかりするつもりだったが、
アマゾンでも安いので、興味が湧く方には古本か図書館で是非とも比較していただきたい。
原作ものがあまり好きでなかったらしい向田邦子さんの工夫どころ、
そしてそのTVドラマには原作者・松本清張さんが小説には無い役どころで出演…
特殊な構成の単行本で、面白さとワクワク度は今年ピカイチクラスの本です。
https://www.amazon.co.jp/%E9%A7%85%E8%B7%AF-%E6%9C%80%E5%BE%8C%E3%81%AE%E8%87%AA%E7%94%BB%E5%83%8F-%E6%9D%BE%E6%9C%AC-%E6%B8%85%E5%BC%B5/dp/4103204389/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1498833049&sr=1-1&keywords=%E9%A7%85%E8%B7%AF%EF%BC%8F%E6%9C%80%E5%BE%8C%E3%81%AE%E8%87%AA%E7%94%BB%E5%83%8F

「駅路/最後の自画像」(新潮社/2009)の画像
駅路1.jpeg
ここでページ数の確認
駅路2.jpeg
短編小説は31ページ
脚本は86ページ
(会話が主だから、盛り込める情報量は多くて脚本家の腕の見せ所、攻め箇所)
(短編小説には雑誌掲載の原稿用紙の枚数制限があるので書けない設定も多い)
小説にまつわるエピソードもドラマ化のまつわる話も興味深い。
◆清張先生と「駅路」のドラマ化、向田さんのこと
近藤晋(元NHKプロデューサー)
◆向田邦子とドラマ「最後の自画像」
烏兎沼佳代(編集者)(うとぬまかよ)
※配役と役者
駅路4.jpeg

短編小説を読んで気になっていたのが、
旅行から戻らない行方不明失踪人(家出人捜索願い)の届け出で警察は動くかな!?だった。
旅行には大金を持って出ていたらしいけど、
(女がらみの)単なる家出の可能性はあるし、
大金目当ての犯罪に巻き込まれた可能性があるとしても、
それぐらいで警察は動かないだろう、とまず疑問を感じていた。
向田邦子さんはさりげなく刑事の会話を挿入した。
北尾(若い刑事)「吉武部長の親戚かなんかですか」
呼野(年配の刑事)「親戚の親戚」
この二行で私の疑問は氷解しました。
さりげない会話で展開初期に開示されると、読者は余計な疑問を抱えずに読み進めます。
(向田邦子さんも同じ疑問を感じたのでしょう)

《ここからは薄めのネタバレ有り》
原作には無い呼野刑事(年配、失踪人に近い年齢)のシーン
ゴーギャンの画集の購入
それを自宅(押入れが書斎)で読む呼野刑事とその家族環境
これで推理する刑事の人物にずっと深みが出ました。
そしてキーワードとなる絵のゴーギャンの生涯についても

原作では失踪人の愛人だとして刑事が下宿先を訪ねたら
その福村慶子が既に亡くなっていたけど、
TVドラマシナリオでは福村慶子は上京したらしく不在。
小説で死んでいたヒロインが、実は生きていたんですという脚色はスゴイ
その生きていた新設定のドラマに出た松本清張もスゴイけど…
福村慶子の女友だちの赤ん坊連れシーンも
更に失踪人の妻とのツーショットも

こうなると大金を巡る犯罪だったのかと思っていたのが
子どもが大きくなって独立し、退職して第二の人生を決断した男と
その中年男を巡る女の戦いドラマになってしまった!!!!

この読み比べは、是非ともやってみなくっちゃ
プロの対決です。

いつか縁があったら、動画を視ることもあるかも
取りあえずは文字で十分です

《いつか追記予定》何故この手にワクワクするのか、どうして面白いのか!?
posted by yumenoya at 01:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月22日

◎松本清張の短編小説(森鴎外の「小倉日記」に関連した3作品(或る「小倉日記」伝/鴎外の婢/削除の復元))、酒を呑みながら何度も補筆しもはや午前5時を過ぎた

古本で宮部みゆき責任編集「松本清張傑作短篇コレクション 全3巻」(文春文庫)を買ったのは3月。しばらく積んであったが、最近やっと読んだ。まだ上巻収録の昭和史発掘「二・二六事件」(50ページちょっと)は残っているが、軍部内での思想的対立などの知識が全く無いので、読む気にならない。興が乗らないから読まないかも。

松本清張の作品は、学生時代に新潮文庫の傑作短編集の一冊を読んでから気に入り全6巻を揃え、サラリーマンになってからも未読の文庫短編集を古本で見つけると買って読んでいた。元々短編小説が好きなので、長編はほとんど読んでいない。題名で読んだ記憶があるのは、「ゼロの焦点」「小説帝銀事件」「神と野獣の日」「霧の旗」「西海道談綺」「砂の器」ぐらいかな。「西海道談綺」は21世紀になってから半村良の伝奇小説のようなものを求めて…、日本映画はほとんど視ないのだがたまたま「砂の器」を観てから初めて読んだのだと思う。映画の導入部がとても印象的だったので。それが10年前頃だとして、それ以来ずっち松本清張作品とは全く縁が無かった。
短編好みの私としては、長編には作り物の臭いがして面白くないことが多いのと、寝る前のベッドでの読書が一番好きなので、面白くて短いほど歓迎である。もっとも読み応えがあるのは、眠れないほど面白くって徹夜したくなるほどの長編が最高だ。けどそんな長篇は滅多に出遭わない。半村良さんの伝奇を追いかけていた頃がピークだろうか。平井和正のアダルト・ウルフガイの時期もあった。ワクワクして追ったのは笠井潔のヴァンパイヤー戦争シリーズが最後だろうか。

今年になって目に留まった古本は、宮部みゆき責任編集「松本清張傑作短篇コレクション」だった。宮部みゆき作品はSFっぽい長編数冊と古本屋が舞台の「淋しい狩人」ぐらいしか読んでいない。けど何冊かの宮部みゆき編アンソロジーは面白かったので、「松本清張傑作短篇コレクション」は即決でした(松本清張作品は全て引越しダンボールに入ったままなので)。宮部みゆきさんが何を選び、どんなコメントをしているかも気になったので。

「松本清張傑作短篇コレクション」で一番面白かったのは、巻頭の作品「或る「小倉日記」伝」で次が「削除の復元」。どちらも森鴎外の「小倉日記」に絡んだ作品だがいわゆる推理小説ではない。

45年も昔の学生時代に「或る「小倉日記」伝」を読んだ時には、いったい何を感じながら読んでいたのだろうか。色んな経験をした65歳だから判り「或る「小倉日記」伝」が一番良かったと思っただろうけど、学生時代だと「西郷札」の方が面白いと感じていたのだろうか、二十歳ぐらいの私に「或る「小倉日記」伝」が読み込めたとは思えない。当時の新潮文庫版6冊がダンボールから出てきたら、目次ページには◎◯△の評価マークがあるはずと少し気になっている。

他の短編が気にかかったので、今日は図書館へ行き、松本清張全集(全38巻、文藝春秋)の短編巻(35と38)2冊と「鴎外の婢」を収録した第10巻を借りて来た。ついでに宮部みゆきさんが「或る「小倉日記」伝」のコメント薦めていた阿刀田高「小説工房12カ月」(集英社)も借りて来た。

戻り日本ハム戦の開始前に真っ先に読んだのは「小説工房12カ月」で、「或る「小倉日記」伝」に関連のありそうな「松本清張の短編」「ミステリー工房の秘密」。「ミステリー工房の秘密」では、小説の主人公・田上耕作と実在した田上耕作さんを簡略対比しておりました。モデル田上耕作さんに興味のある方は、阿刀田高「小説工房12カ月」をどうぞ。まだ拾い読みの途中ですが面白いエッセイ集です。

次に読んだのは、小倉日記関連らしい「鴎外の婢」。これは途中から殺人事件があったのではと展開していく推理小説でした。
「或る「小倉日記」伝(1952)」「鴎外の婢(1970)」「削除の復元(1990?)」

私は森鴎外作品のファンでは無い。昔読んだのは舞姫、高瀬舟、山椒大夫、ヰタ・セクスアリスぐらいだと思う。だから森鴎外についての関心は別に無い。なのに「或る「小倉日記」伝」などこれら3作品を面白いと感ずるのだろうか。

先に紹介した阿刀田高の「ミステリー工房の秘密」の出だしは
「小説はすべてミステリーである、と、これは私の持論である。」
また松本清張全集第10巻の解説は矢野健太郎「数学と推理小説」では
娯楽を本当に楽しもうと思ったら、相当頭を使わなければならないようなものの方を好む。
数学者には、推理小説、パズル、碁、将棋の好きな人が多い。それが嵩じると、推理小説を書く、パズルの創作、詰碁、詰将棋の問題作成へ

私は小説が好きだし、最近やらないがパズルも好きだったし、たまには数独をやっている。
小説の好みは阿刀田高さんの云うミステリー。奇妙な出来事に捕まったり、どう展開するのか先が気になったり、主人公のキャラが格別魅力的だったり(発言、行動や発想が面白い)、不思議や謎や展開や人物に対する興味が読書の原動力だ。何も小説に限定する必要は無い。知的好奇心から始まる読書も心地よい。
私は映画より小説の方が面白いと感じているけど、読み手の想像力の方が映像より優っていると思っているからかな。

「或る「小倉日記」伝」などの面白さに戻ろう。
こんな興味を抱いた時には、戸籍だったり、当時の地図だったり、誰かの証言だったり、証拠固めが必要となる。田上耕作は森鴎外と関係のありそうな人物を捜して訪問し訊く、森鴎外が行ったかもしれない寺へ行ってみるなど足での捜索。
後述する私の推理劇で活躍したのは、戸籍と旧い当時の地図でした。


私にも謎を前にして興奮(紐解こうと発奮)する性癖があるようで、
突如現れた謎に対する興味(一種の好奇心)の発火が昨年、私に起きた。
色丹島出身なのかという質問があって中学時代の担任先生に突然電話をかけた。(中学を卒業してから50年近くが経っていた)
疑問が一応解けたので、そろそろ電話を切ろうかなと思っていたときに、
先生は子ども時代に、(独身の)私の母に会っていると!?!?!?と吐露……
母は戦前(1940年)に長野から根室(多楽島)へ養女に来たけど、
養女先の祖母の持っていた根室の土地を借りて、
先生の祖父が家を建て、そこから先生は小学校へ通っていたと!?!?
先生曰く、祖父に連れられて家賃を払いに地主の家へ行ったら、
そこに一緒に居たのが私の母だったと!?!?!?

私の推理の顛末は次のブログ記事で
★亡き母の若き日を求めての推理劇は突如開幕した(北方領土・多楽島-1)***2016年04月05日
http://yumenoya.seesaa.net/article/436243471.html
これに付随した推理劇は続き
★ソ連軍上陸後に島を脱出した宿屋の漆塗り朱色お膳セット木箱 その1/写真六葉(北方領土・多楽島-2)***2016年04月21日
http://yumenoya.seesaa.net/article/436932103.html
★ソ連軍上陸後に島を脱出した宿屋の漆塗り朱色お膳セット木箱 その2(北方領土・多楽島-3)***2016年04月21日
http://yumenoya.seesaa.net/article/436952404.html
★第二子を生むため母の実家・長野を目指し秋田辺り(日本海)へ船で決死行!?1945年(北方領土・多楽島-4)***2016年07月06日
http://yumenoya.seesaa.net/article/439769284.html
この当時の構想では、あと2回連載する予定だったが頓挫
当初構想を変更して、あと1回で終了のつもりだが、
これまでのような謎解きの記事では無いことから、
文章としてまとめる意欲と興味が半減してしまいました。
知的好奇心をくすぐった謎は私の中で既に一応完結しているので、
あらためて姉や先生にブログで語る必要は無いし(既に手紙や電話で語っているから)、
なおさら第三者に向かって書く必要があるのだろうかと、面倒くさがりや虫が囁く。

今せっせと書いているプロ野球の日本ハム戦のブログ記事も
これをやっていないと、大谷くん復帰に向けてのボルテージを維持できないのでは…、
という不安が襲ってくる脅迫心から、投稿を続けているような気がする。
勝つに越したことはないけど、ワクワクさせてくれる大谷翔平くんが居れば十分だとも思う。
何せ昨シーズンはどんな面白い小説や映画などよりも、大谷くんの感じさせてくれるワクワク度が一番で毎日のメインでした。
だからこの喪失感は半端じゃありません。カムバックー
(寝酒が進むと大谷くん不在のグチになってしまいま〜す)

さて母にまつわる謎はまだ二つ残っている。
何故母は長野から北海道の東端・根室へ養女に来たのか??
 (根室へやっと着いたと思ったら、行先は船に乗り多楽島だった!!)
もう一つは島を逃げて来た父母たちがやっと定職先を見つけた時の経過??
最初の謎は、母から聞いた記憶が姉にも皆無なので断念
第二の謎は、姉に母から聞いた記憶があるのだけど、
私の推理した当時の状況と合致しないので、二説併記で断念。
これは北方領土そのものとは関係が薄いのでブログ記事にするつもりは最初から無い。

これらすべては私の生まれる1952年の前の出来事で、
証拠や証言などは少ないか皆無かだ。
だから推理というよりは憶測かも。

昨年こんな好奇心に駆られた謎を巡る私の推理劇があったから、
「或る「小倉日記」伝」など「小倉日記」関連3作は、
主人公たちをより身近に感じてとても面白い作品だと受け止めたのだろう。
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《追記》
松本清張の短編「火の記憶」を読んでいる時に想起した一ノ関圭「寒雷」
この「寒雷」については下記ブログで紹介している。
★最近面白かった本から***2005年11月07日
http://yumenoya.seesaa.net/article/394425509.html
主人公が語るのは小学校の中高学年頃の出来事か
「火の記憶」の方は幼く小学校入学前か
どちらも幼い時の母との旅での話
目立つ場面の色はどちらも紅
「寒雷」は放火らしい火事の色
「火の記憶」は大人になってから判明するボタ山の火
どちらも語り手は大人になってからの少年時代の母との追憶記憶
どちらもモノクロ映像のテレビドラマにしたら
夜の火事の炎シーンとボタ山の火シーンだけは紅色にしたいストーリー
そんな連想のつながりでした

松本清張の短編小説は再読も宝のヤマだ
読んだのはかなり昔だからストーリーを何も憶えていない
初めての作品もかなり多いだろうし
こちらも色々経験を積んだオジサンだから、読書印象もかなり変化しているだろう
この「或る「小倉日記」伝」が一番面白かったという歳になっている
松本清張短編だと地元図書館でほぼ読めるはず
その次は小松左京短編にするかな
半村良の伝奇長編は今でも時々読み返しているが
ドストエフスキー長篇に挑戦するには体力が要りそうだから…
再読の挑戦意欲は全く湧かない
娯楽小説じゃない長篇はキツイよなあ
もう朝6時近いのでオヤスミなさい

半村良「平家伝説」を寝床で読み始めていたら、ふと思いつきましてーー
なのでパソコンを起動しその前に
オフクロの息子としては気にかかる
お親父と知り合う前の若きオフクロの面影
それが推理ドラマのエネルギー源でした
急にそれを記しておきたくなったのでございます、チョン
posted by yumenoya at 01:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月05日

◎最近読んだ野呂邦暢『愛についてのデッサン―佐古啓介の旅 』(古本屋/古書/様々な恋愛)

古本と古本屋にまつわる短編小説の名アンソロジー、紀田順一郎/編「書物愛 日本篇」に収録されていた野呂邦暢作品「本盗人」の出処である連作集『愛についてのデッサン―佐古啓介の旅』を読み終えて、心地よい余韻に浸りました。

『愛についてのデッサン―佐古啓介の旅』は、六つの旅で構成されている。
「燃える薔薇」、「愛についてのデッサン」、「若い砂漠」、「ある風土記」、「本盗人」、「鶴」
主要な登場人物は、古本屋の父が亡くなって引き継いだ若き店主の佐古啓介(大学卒業後は小さな出版社に勤めていた)、その妹・知子(二人暮らしの兄思いで兄留守時の店番はする)、高校時代からの友人・岡田(同じ私大出で文学専攻の大学院生)

若い店主には、色んな依頼があって、本探しや人探しの旅へ、友人探しの旅も父の過去探しの旅も…男と女の恋愛がらみの事件、主人公のつらい恋愛エピソードも、そして古本にまつわるエピソードも…と濃厚な連作集です。

謎と疑問、不思議の織りなすストーリー。だからそれに惹かれて人は本を読むのでしょう。"知的好奇心"に捕らわれて……そんな風に捕まるのは意外と快感!?あの大谷翔平くんのように魅せて欲しい……
本作に限らないが、走馬燈のように過るのは、予備校時代の初恋に始まり、そして四十代の心のときめき(今のところ、これが最後)。私の発端のすべては初恋にあり……

ただこの小説もマンガも映画も、魅力的な美人の女がストーリーのメイン人物で登場します。この小説で普通かそれ以下は店主行きつけのスナックのトンちゃんのみかな。トンちゃんが語る失恋の相手は、店主佐古曰く、ハゲ、チビ、デブ。トンちゃんが嫌いなはずの三拍子揃い。やはり男の主人公が昔思った、今気にかけている女性は、やっぱり魅力的な女でないと、読ませる小説として成り立ちません。だから、『愛についてのデッサン―佐古啓介の旅』も自分のイメージのなかのイイ女を心に浮かべながら読んでいます。映画だと、この女優は俺のイメージじゃないということがありますけど、小説、マンガ、アニメだと、想像するのは勝手ですからねー。その点、実写映画は大変ですねぇー。原作のイメージに合わないと、クソミソ攻撃の恐れがありますから。例えば、三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」。
http://yumenoya.seesaa.net/article/419815836.html
私は小説を読む前にTVドラマを数回視てましたから、剛力彩芽とAKIRAに何の違和感もありませんでした。このドラマのイメージで第6巻まで小説を読みましたけど、小説を読みながらイメージしていたのは、剛力彩芽とAKIRAの二人で、セドリ屋は高橋克実でした。だから、これが最初かどうかも判りませんけど、剛力彩芽に対する「嫌い」攻撃は不可解です、私には。


オススメの小説作品としては、まだ3月ですけどこれが今年一番、この半年間でもベスト1のような気がします。難しい言葉は使わずに暖かさが伝わる判りやすい文体というのでしょうか、読み手に色んな事を想起させるストーリーと構成です。もっと早くに出遭っていたかったと感じさせる連作集です。こういう思いがけない出遭いが欲しくって、色んな本を読んでいるような気がします。
1.「燃える薔薇」(長崎)(亡くなった詩人の自筆原稿/古書交換会/他殺か自殺か)
2.「愛についてのデッサン」(店主が想い人(友人岡田の姉)に昔あげた詩集が市に出た!?/スナックのトンちゃん/昔船乗りで世界を巡ったスナックのマスター秋月)(夜行列車で直江津)
3.「若い砂漠」(神戸)(詩集本棚の謎老人/昔流行作家だったが今は屑屋/学生時代の友人鳴海の小説/文学賞)
4.「ある風土記」(京都)(二人が学んだ大学日本史の教授が亡くなった/『出雲風土記註解』豪華特製限定版(ナンバーは30中の2?)/夫人の依頼により隠し子探し)
5.「本盗人」(ケース棚の高価古本が万引き/こっそり返しに来たらしい女子学生/古本通販の発送で郵便局へ/長崎出身)
6.「鶴」(長崎)(父唯一の友人宅で、歌集に父の短歌が!?/何も語らず死んだ父の若い頃を探しに長崎へ/戦前の短歌会/ラストはあの女子学生と会う)
あとがき
解説:佐藤正午(書き下ろし)


野呂邦暢作品「本盗人」については、下記のブログページにもネタバレ注意!!で記してある。
◎古本と古本屋にまつわる小説のアンソロジー(ネタバレも有り)と三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」-2017年02月22日
http://yumenoya.seesaa.net/article/447231136.html

★野呂邦暢『愛についてのデッサン―佐古啓介の旅(大人の本棚)』(みすず書房/2006)←図書館で借りた本
★野呂邦暢『愛についてのデッサン―佐古啓介の旅』(角川書店/1979)
みすず書房は2,808円で新刊が入手可

3/7が返却日なのでアップします。
地元の図書館で蔵書していたのは幸い。
いつでも借りて再読が可能です。
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2017年02月23日

◎夭折した村山聖九段の師匠である将棋棋士・森信雄についての記事(Yahoo!ニュースの独自記事)

Yahoo!ニュースというと、色んなメディアの記事を紹介したものを思い浮かべる。私も毎日パソコンを起動して、最初にチェックするのはYahoo!トップのニュースだ。このチェックが終わったら、次にスポーツナビで大谷翔平くんの新しいニュースが無いかを確認する。気になった記事は私のホームページの「2017年大谷翔平くん関連の気になるネット記事にリンク(一覧表)」に追加してアップするのが日課となっている。プロ野球が開幕しないとテレビは視ないしテレビニュースとも縁が無いので、Yahoo!のニュースのチェックはマメにやっている。
http://yumenoyabook.web.fc2.com/ohtani_news2017.html

Yahoo!ニュースには、独自の取材による重厚な記事があることを意識し始めたのは次の記事を読んでからだ。
●兵庫労働局、発達障害の非常勤女性に「いじめ」「虐待」〜前局長ら5人処分 障害者雇用推進の役所がなぜ?-Yahoo!ニュース 2016年10月13日(木)13時2分配信(Yahoo!ニュース編集部)
http://news.yahoo.co.jp/feature/392
(2/24追記:ネットの記事を読みながらこんなにムカついた事は記憶に無い。まだ投稿していない"私の宿題"だが、この記事を読んで即に、私なりに記事の再構成を行い、不明な点はネットで色々調べて補足し、昨年に私の推理はほぼ完成していた。原稿txtの最終更新を確認したら10/26だ。その原稿作成で何度もその記事を再読する必要があったので、その度にムカついていた。あのムカツキはあまり再現したくは無いが、決定稿とするためには、原稿を精査する必要がある。するとまたあのムカツキに襲われる。何とかせねば……自分に対する外堀埋めかな?)

そして今回のような将棋棋士・森信雄を師匠とする一門について取材した記事もあります。読み応えがありました。
◎将棋で不幸になってほしくない――「さえん」師匠が人を育てる - Yahoo!ニュース 2017.2/23(木) 11:23 配信(ノンフィクションライター・神田憲行/Yahoo!ニュース編集部)
http://news.yahoo.co.jp/feature/519

村山聖という棋士と森信雄という師匠を知ったのは、マンガ雑誌で「聖(さとし) −天才・羽生が恐れた男−」の連載が始まったからだ。私は駒の動かし方を知っているだけで、将棋のファンではないけど、羽生善治という名前は当然知っていた。その"羽生が恐れた男"とは!?
描くのはマンガ家・山本おさむ。この山本おさむの作品を意識しだしたのは、聴覚障害の野球部員たちが甲子園を目指す『遥かなる甲子園』(原作/戸部良也)を読んでからで、この作品を初めて読んだ時には泣けてしまいました(再読の時にも)。そして『わが指のオーケストラ』『どんぐりの家』『ペンだこパラダイス』……作者の眼差しは優しく暖かい。

マンガ『聖(さとし)-天才・羽生が恐れた男-』(監修:森信雄)は、「ビッグコミック」に連載された。その当時(2000年/ネット古本屋を開業した年です)はマンガの貸本屋を閉店すると、ほぼ毎夜小さな飲み屋へ通っていた。そこの常連の飲み友だちは色んなマンガ雑誌を持ってきた。当然この「ビッグコミック」も。

続きが気になるので、やがて大崎善生のノンフィクション小説『聖の青春』がある事を知り古本屋で入手して読んだ。

森信雄の最初の弟子が村山聖。このYahoo!の記事では、その後の弟子たちと師匠・森信雄とが色々と語っております。将棋を全く知らない方にもオススメしたい記事です。

《追記》
YouTubeに次の動画がありました。
2016/11/21に公開で、視聴回数 23,981 回ですから、結構人気のようです。
★ドラマ「聖の青春」ダイジェスト (38分52秒)
https://www.youtube.com/watch?v=5-YHw__1QOc
まだ途中ですが、なかなか面白い。
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2017年02月22日

◎古本と古本屋にまつわる小説のアンソロジー(ネタバレも有り)と三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」/《追記2/27》マニアの古書交換会

古本と古本屋にまつわる小説で思い出すのは、
まず梶山季之「せどり男爵数奇譚」
次が古本屋である出久根達郎さんによる初期作品群
最近では三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ

紀田順一郎/編「書物愛 日本篇」
紀田順一郎/編集解説「書物愛 日本篇」(晶文社/2005)は2/8に図書館で借りたもの。
(注・現在「書物愛 [日本篇] (創元ライブラリ) 文庫」で入手可)
「書物愛 日本篇」は延長して明日2/21が返却日なので、今このメモを書いている。

巻末にある収録テキストの出処を最初に確認すると、
書物愛 日本篇.jpeg
夢野久作は教養文庫か角川文庫で読んだ
出久根達郎は『古書綺譚』新泉社(1985)と中公文庫(1990)の両方かな
横田順彌は『古書狩り』ジャストシステム(1991)
宮部みゆきは『淋しい狩人』新潮社(1993)
上の4冊のタイトルは記憶にあるが
紀田順一郎の『神保町の怪人』東京創元社(2000)
この題名は、ちと記憶があやふや…読んだような気もするが……

一作以外は皆読みましたが、昔読んだ短編の細部はすっかりきれいに忘れていました。この本は5年後ぐらいににまた楽しめそうな気がします。

夢野久作「悪魔祈祷書」
「富豪ロスチャイルドが巨額の懸賞金をかけて探したが見つからなかった稀覯書」などについて語る古本屋の話は面白い。

島木健作「煙」
あまり歳の離れていない叔父さんの経営する洋書古本屋を手伝っているのが主人公、大事な洋書のセリ市があるけど用事で出れない叔父の代わりに出ることに…戦前の洋書セリ市の風景が面白い。繁華街や人付き合いが苦手な主人公の心の動きも…

由起しげ子「本の話」
戦後初の芥川賞受賞作らしい。題名だけは知っている。
姉の看病と姉に旨い物を食べさせるため痩せ衰えて死んだ義兄。大学教授の義兄が残した財産は、"海上保険"という特殊な分野の洋書・専門書。姉の看病のために資金が必要で、義兄の蔵書を手放そうとするが、散逸はしたくないし、できるだけ高く手放したいし、義兄の意を汲んで今後の研究に役立てて欲しいし…という主人公の悩みを描いているが、蔵書の落ち着き先がはっきりしないままラストへ。

野呂邦暢「本盗人」(ネタバレ注意!!)
古本屋の若い二代目が主人公。妹が手伝っている。最近ガラス扉の陳列棚の高価な本が立て続けに万引きされた。気を付けていると、初見の女子学生らしい客が変な動きをしている。買う訳でも欲しいものがあって悩んでいる風でもなく、数日続けて来たので、店主は声をかけた。驚き怯んだ女子学生は慌てて退出。すると万引きされた本の一冊が押し込むように戻っていた。が、それから彼女は来ない。彼女が万引き犯とは思えないし、どうも万引き犯の代わりに返しに来たようだ。…通販の古本を発送するために郵便局へ行ったら、窓口にあの彼女が居た。書留で発送するのなら発送人の住所・氏名が書いていないと困りますと言われている。覗くと宛名は当店だった。彼女は発送人を書きに記載の台へ。窓口に向かう彼女に声をかける。「切手を貼る必要はありませんよ」…誘った近くの喫茶店で二人の会話が始まる……。他の古本屋エピソードや友人の恋の話なども絡みなかなかの短編でした。
(収録されている単行本『愛についてのデッサン―佐古啓介の旅 (大人の本棚)』は図書館に本日2/20ネットで予約した)

出久根達郎「楽しい厄日」
●妻が電話で受けた古本買い入れの依頼。妻のメモによると結構珍しそうな高く売れそうな本があるらしいぞと期待を膨らませながら、自転車で依頼先の家を探すが見つからない。これはどうも担がれたかな…イタズラ電話だったようだ。そして意外なラストに…
《詐欺師による古本屋騙し事件》
●この短編を久しぶりに読み返していて、解体屋を名乗る男が古マンガに強そうな古本屋に電話して、全国の古本屋に手付金を送金させたという詐欺事件を思い出した。「結構珍しそうな高く売れそうな本があるらしいぞと期待を膨らませ」るという古本屋の助平心を刺戟するのでは同じです。岩手県の解体現場から札幌の古本屋へ電話があったとしたら、即ゼニを持って車で飛ばすとはなりませんからねぇ。なかなかの詐欺師です。
「古そうなマンガが色々出て来た。足塚なんとかという人の漫画やユートピアとかいうのもあった…それに…も」。詐欺師がその時に何と言ったかは忘れましたけど、「現場近くの公衆電話からかけているんで、小銭がもう無くなるから切るけどさあ、手付金なんかを払ってくれたら、他の古本屋には売らないからさあ。考えておいてくれ。また後で確認の電話を入れるから…」古マンガに強い古本屋なら、藤子不二雄の初単行本、足塚不二雄「ユートピア 最後の世界大戦」を連想して、これは何とかオレが押さえにゃ!!と、まとまったゼニを用意し、慌てて手付金を送金したと思われます。借金などができずに送金出来なかった古本屋は悔しがったのでしょう、でも詐欺事件には引っかからなかった。私がこの事件を知ったのは、マンガの貸本屋としてホームページを開設した1999年頃のこと。リンク集に入れるべき候補は事前に用意してあったので、早速相互リンクしてもらったひとつが神戸の古本屋さんでした。そこの店主はこの事件の被害者で、ホームページではこの事件を解説していました(この方は後に廃業して別の方へ店を譲った)。この後、札幌に被害者が居たことが判明し、私が知っているのは2店のみです。この詐欺師は捕まりましたが、その後のことは判りません。この古マンガについてのセンスで行くと、詩集とか色々な分野別詐欺バージョンがありそうですけど……
●今検索してみたら、図書館にはどの程度かは判らないが、全国の県庁所在地の電話帳(タウンページ)を置いてあるかも…。広告を見たら、古マンガの買取りに力を入れている古本屋は一目瞭然のはずです。

横田順彌「古書狩り」
戦前の探検・冒険書がメインで、そこから敷衍した蒙古や満州など関連のコレクターが主人公。古書集めの仲間もおり、情報の交換もしている。古書市で奇妙な老人に気が付いた。老人が同じ「外蒙古の謎」を買うのを数度見かけている。同じ本を探して買うのは何故だろう!?!?「外蒙古の謎」はもう持っているのだが、印刷目録にその本を見つけた時は、申し込んだ。複数の希望者が居たら抽選になる。ひょっとしたら、あの老人に会えるかも…。注文締め切りの翌日に確認したら、自分が当選していた。次の日に取りに行ったら、古本屋の店員曰く、あの人は昨日も待っていたんですよと。その老人は、ちょっと見せて欲しいと頼むので、渡すと奥付ページを確認して、是非譲ってくれ云う訳でもないから、これは捜している本ではないようだ。謎は更に深まる。ある日、古本屋でこの本を見つけたので、手を伸ばすと、横からも手が伸びてきた、若い女性だった。ちょっと見せてくださいと頼む女性に渡したが、これもまた該当しないようだ。主人公は若い女性に不思議な経過と自宅に一冊持っていることを話すと、興味を示したので、連絡先を彼女に渡した。彼女から連絡があり、その本を持参し会う約束をした。そこには、あの老人と女性が…あの老人から語られる謎の行動の真実…

宮部みゆき「歪んだ鏡」
自分の容姿に幻想を抱かずにずっと生きて来た25歳のOL・久永由紀子がその文庫を拾ったのは、列車の網棚に置いてあったから。雑誌や新聞なら取らないけど、文庫だったので、手が伸びてしまった。それは山本周五郎「赤ひげ診療譚」。裏表紙の解説を読むと時代小説らしい。関心は無いけど、本をぱらっとしたら、二つに分かれ、そこには男の名刺が挟まっていた、リフォームの営業マンらしい。久永の想像は文庫の持ち主と名刺の男性はどういう関係か、それが網棚に忘れられた理由は、色んなシチュエーションが浮かび膨らみ名刺の男が気にかかる。読み始めたら意外と「赤ひげ診療譚」は面白い。とくに最後の「氷の下の芽」が気に入った。小説の中のおえいは呟く「男さえ持たなければ、女も子供も苦労なんかしずに済むんです」。若い娘のおえいは開き直って覚悟を固め自立している。それに比べ、この私は……由紀子は猛前とこの本の持ち主に会ってみたいと。私とこの本をつないでくれた網棚に忘れた人に。
舞台は古本屋に変わり、材木商を定年退職し遺友の古本屋の雇われ店主となったのがイワさんこと岩永幸吉で65歳。イワさんの孫・稔17歳が毎週末(土日)に泊まり込みで古本屋を手伝いに来てくれるのがイワさんの楽しみだったし、助かってもいた。もちろんしっかりバイト料は貰っていくが、遊んでいるだけの同年齢の若者たちに比べると、遥かにしっかりしており、頼もしくも思っていた祖父。だが稔の話によると、最近10歳も年上の女性と付き合っているらしい。深夜、近くのコンビニで知り合ったが、一緒に夜食を食べ、相手のマンションにも訪問していると判明。それに祖父が怒ったことから、孫とは疎遠になってしまい、イワさんのイライラした毎日は続いている。そんな時に店内で挙動不審なサラリーマンを発見し難詰すると、リフォームの営業マンだが、リフォームの該当年齢層にアピールする方法として時代小説に名刺を挟むこととした。だが新刊本屋は従業員が多いのでスキが無く断念し、友だちも利用しているこの古本屋で名刺を挟んでいた。こんな事はもうやってくれるなとサラリーマンを追い出すイワさん。
古本屋が舞台の連作小説の主人公イワさんと名刺の挟まった文庫を拾った久永由紀子と名刺のサラリーマンの三人がここでつながり、予想外の推理ドラマは展開していくのでした。意外なラストで別つながりが……。
(再読して今さらなので恐縮ですが、さすがの宮部みゆきさん。構成が重厚だし、取り上げた山本周五郎「赤ひげ診療譚」の使い方も巧みです。このイワさんシリーズは是非とも単行本『淋しい狩人』で読み返さなくっちゃ。宮部みゆき作品はSFっぽい作品とこの古本屋もの以外はほとんど読んでいないはず。別のものに挑戦する必要がありそうだ…)

《次の途中まで書いた時に、この本返却で図書館へ(記憶で書いています)》
×稲毛恍「嗤い声」(出だしの数ページで挫折)
●主人公は国語の教師。芥川賞と直木賞の帯付き初版本の収集が趣味で実益も兼ねているらしい。賞の候補が決まると友だちと予想の話もする。単行本が出ている作品の場合は、何処の新刊本屋に沢山並んでいるとかをチェックして歩く。受賞が決まったら置いて有りそうな本屋へ急ぐことになるので。(ここからは本を確認できないので記憶間違いはご容赦)…受賞すると過去の作品も注目を浴び古本価格が上がるので、それらの古本もターゲットとなるらしい。マニアの交換市もあると。今回の直木賞候補にエロ小説で有名な作家がいるという設定だが、あの清水正二郎がモデルかな、直木賞受賞は胡桃沢耕史名義で。これがこれから盛り上がる要素かも…(これにも私を引き留める力は無く挫折です)
●かなり前から芥川賞にも直木賞にもほとんど関心が無いので、出だしの数ページで挫折しました。興味のない話題が展開していると読み続けるのは苦痛ですから。
●今はめったに無いけど、数年経って興味を持ち直木賞受賞作品を読んだことはある。その時は「直木賞受賞」の帯が付いたものを買った。かなり経ってから、ある記事で読んだのだが、「直木賞受賞」ではない当初の帯が付いた本には少しプレミアムがついていると。古本屋を歩くのが趣味ですから、少し高くネット古本屋として売りました。捜している方がいたんですねぇ。そんな風に探したのはその本だけです。それは高村薫『マークスの山』で、初版(第一刷)と第二刷の2冊を見つけたと記憶。その時は「直木賞受賞」と謳っていない帯を探して歩いたわけです。とにかく並んでいるほとんどが「直木賞受賞」という帯でしたから。
●エロ小説で連想した話を。30歳近くの頃、転勤で札幌にいました。ススキノの近くには石川書店という小さな古本屋がありました(後のビルを建てる前のこと、それも数年前に廃業)。ここは雑多な品揃えで私も時々覗いていました。ここで遭ったのが蘭光生というエロ小説家で、この当時に入手した新書判(二見書房)は後のネット古本屋で結構高く売れました。蘭光生に出遭った時期か、又は少し経った蘭光生に興味が失せた頃か、エログロナンセンスSF小説ではヒカイチの式貴士作品に出合いました。長〜いあとがきの面白いSF作家でもありました。ネットの時代になり、やがてやっと今風のGoogle検索エンジンが登場してから、ファンサイトで知ったのは、この二人が同一人物だったことです。SF小説ファンで式貴士さんを知らないという人が居たら、急げーです。筒井康隆さんだってエログロナンセンスを描いていますから、式貴士さんはオススメです。間羊太郎名義の『ミステリ百科事典』も面白い。こんな方を博覧強記というのかな…なお、式貴士さんは直木賞受賞者ではありません。

紀田順一郎「展覧会の客」
デパートで開催される大古本市。その前日は古本マニア(古本屋から見ると大のお得意様)を招待しての出品古本の事前お披露目の下見会。主人公は評論家且つマニアとして招待された。彼に声をかけたのが大沢という結構有名な詩集のマニア。その翌日、早起きしてデパートを目指したが既にかなり並んでいる。大沢は、と探すがずっと後に居たので、それじゃ目指す本は手に入らんよと思う主人公。ところが大沢は沢山抱えて出て来た。大沢はそのテクニックをばらす、欲しい本は下見会の時に、別の本の裏に隠して置いたと(そもそも下見会なんてあるのかも不明。私も並んで開店を待ったことが一度だけある)。大沢は明かす、欲しい本を手に入れるには「殺意」が必要だと(持ち主を殺しても良いと思うほどの執念か)。やがて入ってくる大沢の悪い噂。大沢が執筆中の本のために、詩集、資料を貸したが返してくれないと嘆く研究者や詩集コレクターなど色々の噂。普段より増やしたガードマンが警備する大古本市会場から目玉商品が消えたという盗難事件が起きた…やっと推理小説の開始。今までは伏線です。


ということで、古本と古本屋にまつわる小説のアンソロジーとしては傑作です。もしこれ以外にそんなアンソロジーがあったら、是非読みたい。知っている方、教えてください。なおこれには「書物愛 世界篇」があるので、後日借ります。

今日は上で触れた野呂邦暢『愛についてのデッサン―佐古啓介の旅 (大人の本棚)』をまず借りて来ました。(追記/日本酒を呑みながらビニール袋(今日は少し雪が舞っていたので図書館で袋に入れた)に入った本書を深夜に取り出すと、みすず書房版(2006)で、角川書店版(1979)に佐藤正午の書き下ろし解説を付したものでした。でも思うのだが、副題の「佐古啓介の旅」が、もし「若き古本屋店主二代目・佐古啓介の旅」とかだったら、私が読むのは少し早まった可能性がある。作家は本屋で目立つ事をあまり考えないのだろうか??ネット古本屋の私は、ヤフオク!出品のタイトルをどうするかで悩んでいる。目立つことで悩んでいるというのに。巻末の著者略歴によると1980年に42歳で急逝。野呂邦暢という文字に記憶はある。学生時代に古本で読んだ文芸誌に載っていたのだろうか?)
それにしても昔単行本で読んでいるのに、ほとんど何も憶えていない。うっすら記憶にあったのは、セールスマンが宣伝のために古本に名刺を挟むのは面白いアイデアだ。効果のほどは不明だが…という想いだけ。
でも前にも書いたが、読後の評価を目次に付けた◎と〇(借りた本ではないよ)とは5年くらい経ったら、また楽しませてくれると言う事、またその五年後と何度でも…
年齢で好み・評価が変わることは少しだがあるし…
やっと判る年齢になったということもあるから、様々だけど…
「読書にとって、忘却は幸いなり」

今度は「書物愛 世界篇」(ロアルド・ダールの「古本屋」クラス作品を期待)と宮部みゆき『淋しい狩人』を借りよう。忘れてしまった古本屋店主と孫とのその後が気にかかる。
《酔った追記》海外ミステリーだと、料理、酒、犬、猫、クリスマスとかのアンソロジー文庫本がある。「古本」「古本屋」という切り口は無いのだろうか。今度借りる予定の「書物愛 世界篇」に書いてあるだろうか??そんなアンソロジーがあったら、見知らぬ作家と出合うチャンスは拡がるのだが………


三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」
「ビブリア古書堂の事件手帖」の第7巻(完結)は2/25に発売予定と下記2/10ネットニュースで読んだので、2/12図書館に「予定に入ってると思うが是非購入して」とリクエスト申込書を提出し確認したら、「この本は購入の予定になっているはず」とのことだったので、更に確認したら、このリクエスト申込書で予約があった扱いになるとのこと。予約の順番で私が何番かは判らねど…
この「ビブリア古書堂の事件手帖」の第2〜6巻の5冊は図書館で借りて読みました。だからまた図書館のお世話になります。
★「ビブリア古書堂の事件手帖」実写&アニメ映画化!-シネマトゥデイ2/10
http://www.cinematoday.jp/page/N0089541

2/19の夜、美和さんからメールが届き添付されていたPDFが、
三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」についての記事(読売)画像など
ビブリア古書堂の事件手帖.jpg
この記事によると
「作品を支えるのは、古書にまつわるうんちくだ。ベースはデビュー前の古書店勤務時代の経験だが、特に4巻以降は、改めて資料収集から始めた結果、読み込むだけで数か月かかることも珍しくなかったという。没ネタと採用したネタの比率は9対1とも。」
作者の三上延さんについては特に調べたことは無かったので、現在の古本屋でネット通販やっている方が情報源かなと想像していましたが、この新聞記事に「デビュー前の古書店勤務時代の経験」とあり、やっぱりそうか、でした。
栞子、その母親、亡き祖父たちが、「本物は億を下らない究極の希少本」シェークスピア全集の初版本「ファースト・フォリオ」を巡って、どんな推理合戦を展開するのか、楽しみな完結巻です。

前にも別ブログで書いたことだけど、少し気になっている事がある。私の記憶間違いかもしれないが、小説には無かったシーン。数回視たテレビドラマにも無かった。
ネット通販をしていると当たり前の風景は、私の場合、古本代金+送料の入金を確認したら梱包して発送となる(連絡無しキャンセルがあるので入金を確認するまで梱包しないことにしている)。私は郵便局に集荷依頼の電話をして集荷を待ち、来訪という流れになる。一冊ものの注文が多いので、ゆうメールでの発送となる。外出の用事がある場合には郵便局に持ち込んで発送という場合もある。ネット古本屋によってはヤマト運輸のクロネコDM便(厚さ2cm以内、3辺の合計が60cm以内などの対応サイズ有り)を利用する場合もある。発送が割と頻繁の場合のやり方としては、毎日「毎度様」と声をかけてもらう方法もあり、今日は無いよという時だけ事前に電話連絡をするなど様々の対応が有り得ます。集荷業者には定期的な巡回コースと大体の集荷時間帯がありますが、地区によって様々で、ゆうメールの集荷はしない所もあるらしい…
郵便局などの集荷の人とはお互い馴染みとなりますが、推理ドラマに直接関係の無い人物でも、ネット古本屋には日常的なシーンの一つとして描かれていると、さりげないがネット古本屋の日常に厚みがでると思います。作者も判った上で、推理ドラマに関わる人物じゃないから敢えて描かないのかも知れませんけど。実写&アニメ映画の長編には欲しいシーンです。
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《追記2/22》
検索したら、ミステリー文学資料館/編『古書ミステリー倶楽部』(光文社文庫)というシリーズが第3巻まであったので、古本で早速注文した。他の図書館から取寄せるのを待てないから
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《追記2/27》マニアによる古書交換会
紀田順一郎/編「書物愛 日本篇」に収録されていた稲毛恍「嗤い声」、
これは私の興味の範囲外だったので、数ページで投げだしてしまった。
別の本、野呂邦暢『愛についてのデッサン―佐古啓介の旅』を読んでいたら、
その第1話に、詩関連の古書交換会というのが出て来た。
個人が運営し同好の士の売りたい古書を印刷目録に載せて発行する会員制通販システムで、
古本屋で手放すよりは高く、古本屋で買うよりは安くというのが、マニアの古書交換会。
交換会の印刷目録には出品者の連絡先がかいてあるので、欲しい人は相対の取引となる。
『愛についてのデッサン―佐古啓介の旅』の場合は、申し込みの最終日が記載されており、
希望者が複数の場合は、抽選になるらしいが……
稲毛恍「嗤い声」で触れていたマニア同士の交換会って、
これの事だったのかとガテンが行きました。
これだとちょっとした小遣い稼ぎにはなりそうなので、古本屋巡りもより楽しくなりそうです。

『愛についてのデッサン―佐古啓介の旅』の第1話は1978年に掲載、
稲毛恍「嗤い声」は手元に無いけど、胡桃沢耕史『黒パン俘虜記』の頃とすると1983年
今ならネットオークションとなるけど、
その当時はマニアによる古書交換会が割と普通だったのかもしれません。
私は昔、マンガ図書館と数軒の古本屋の通販目録しか知りませんでしたけど…
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