2015年07月26日

SF映画「The Man from Earth」(ジェローム・ビクスビー)と「きょうも上天気」(小説とTVドラマ・映画)/《追記7/26》/《追記8/1》TVドラマ続編

 SF映画「The Man from Earth」については、以前に下記のブログで語りました(音声でのブログを試した時のものなので、まさに"語っております")。
★地味だが傑作映画「マン・フロム・アース The Man from Earth」1万4千年生きている男/SF/何故か日本語字幕DVDが未発売(音声ブログ3)/2014年の追記有り-2012年11月17日
http://yumenoya.seesaa.net/article/394425702.html

 昨日ふと思い出しまして、YouTubeで検索してみましたら、もちろん日本語の字幕は付いておりませんけど、「The Man from Earth」が見つかりました。割と最近のことですけど、字幕(srt)というものがあることを知りましたので、「あるわけ無いよな、でもひょっとしたら」と思いつつ、試しに"The Man From Earth 字幕"で検索してみましたら、下記のページがヒットしました。
http://www.opensubtitles.org/ja/subtitles/5175191/the-man-from-earth-ja
 ここで字幕(拡張子はsrt)をダウンロードして確認しましたら、間違いなく日本語字幕jpでしたけど、どうも記憶に残っている訳と違うようです。字幕(srt)の世界の事については無知ですが、字幕の職人は複数いるようです。おそらくオレならこう訳すなという方がいるのでしょう。小説だって訳者が違えば、ニュアンスなど読者の印象が変わることはありますから。それで新訳で観はじめたところです。

 以前のブログで既に語っているかもしれませんが、この映画を初めて観たときに思ったのは、お気に入り作品である梶尾真治(カジシン)さんの「エマノン」シリーズでした。「エマノン(nonameの逆読み)」は、地球に生命が誕生した時からの記憶を母から娘へと連綿と引き継いできた"観察者で時には新生命の介添え人で絶滅の阻止者"でもある少女が主人公の話です。娘が母になると、観察者としての全ての記憶は母からは消えるという設定です。そして映画「The Man from Earth」は、旧石器時代から1万4千年生きていて35歳から年を取らないクロマニヨン人の男が主人公ですので、「エマノン」と近しいものを感じます。

 「The Man from Earth」のストーリーを紹介したページはいくつもありますので、興味のある方は検索してください。少し説明すると、老けなくなった主人公(大学教授)は周りから不審に思われない様に一箇所に留まるのは十年と決めているようで、その引越しのお別れに同僚などが集まったときに自分の秘密を少し明かすと同僚たちの反応は…、という地味な会話劇ですので、特撮やアクションを期待するSFファンには全く不向きな映画です。また評価と好みも分れるかも…。


 2012年にブログで語った時にはまだ知らなかったのですが、映画には原作者がいて、それが"ジェローム・ビクスビー"だったのです。ジェローム・ビクスビーと言えば、SF短編小説「きょうも上天気(原題/It's a Good Life)」で有名な作家です。これを収録している『ファンタジーへの誘い 海外SF傑作選』(講談社文庫)の伊藤典夫解説では「アンソロジーの再録頻度でこの作品と肩を並べるのは、ダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」ぐらいしかない。」とあります。

 この「きょうも上天気」を再読したときに上の解説も読んでガッカリいたしました。"ガッカリ"というのは、昨年のことですが、《外国短編小説ベスト3が決定》というブログ記事の原稿を書いている最中で、下記作品が私のベスト3ですが、"アンソロジーの再録頻度"ベスト2とエドガー賞受賞作では、自分の好みの陳腐さというかありふれた選定結果に愕然とし、予告していたそのブログ記事は立ち消えとなりました。ベスト3は動きませんけど。
●ダニエル・キイス「アルジャーノンに花束を」
●ジェローム・ビクスビイ「きょうも上天気(日々是好日/愉しきかな人生)」
そして今回やっと出合えた(出遭えた)のが
●G・ミキ・ヘイデン「メイドたち」(これは「エドガー賞全集 1990〜2007」(ハヤカワ・ミステリ文庫)に収録)


 私がこの「きょうも上天気」に出合ったのは比較的新しいのですが、この傑作をまだ読んでいない方は下記文庫をネット古本屋で…
・伊藤典夫編「ファンタジーへの誘い 海外SF傑作選」(講談社文庫1977)/浅倉久志訳「きょうも上天気」
・R・シルヴァーバーグ「ミュータント傑作選」(講談社文庫1979)/浅倉久志訳「きょうも上天気」
・「ミステリーゾーン4」(文春文庫1994)/矢野浩三郎訳「日々是好日」
・大森望編、浅倉久志訳「きょうも上天気 SF短編傑作選」(角川文庫2010)

 題名の"きょうも上天気"は、何たってアントニー坊やは天候を操る能力も持っていますから…。暑いとか寒いとかの心を読まれてしまったら、アントニー坊やは親切ごころから何をしでかすか判りません。だから具体的な天気の話題はいけません。「暑いわね」とか「今日はちょっと寒いわ」と会話したり、そうふと思った時には、要注意です。そんな時には「このぐらいがちょうどいいわよね」「毎日良い天気だね」と先ほどの発言・考えを否定する必要があります。アントニーのテレパシーの届く範囲に暮らす人たちは何につけ大変なんです。天気に限らず不満をもらすことはタブーです。だから"It's a Good Life"ということに…

 ロッド・サーリングが案内人となったテレビ・ドラマ「ミステリーゾーン(原題/The Twilight Zone/トワイライト・ゾーン)」で、第32話「子供の世界」(It's a Good Life)として放映。
 オムニバス映画「トワイライトゾーン/超次元の体験(Twilight Zone:The Movie)」では第3話「こどもの世界」(IT'S A GOOD LIFE)として、ジョー・ダンテが監督、リチャード・マシスンが脚本。

 映像化で残念なのは、原作の小説ではアントニー坊やは3歳(矢野浩三郎訳では出だし部分に年齢の記載無し)で、3歳という幼さから来る気まぐれな不気味さが全編に漂っているのだが、TVドラマの設定では6歳であり、あのマシスン脚本の映画ではもっと年上(10・11歳ぐらいか)で、3歳の持つ怖さが段々と薄れてしまっていることだ。原作小説を読んでから映画を再度観ましたら、作製当時の特撮技術の問題ではなく、かなり陳腐な作品に見えてしまった。単なる超能力少年ものに思え、TVドラマへのオマージユとは思えない。ジョー・ダンテとリチャード・マシスンはどう語っているのでしょうかね。なおTVドラマの方は字幕の無い英語版をセリフを想像しながらみましたけど、吹替え版か日本語字幕版をお持ちの誰か、貸してくれませんか。アマゾンだと「隔週刊 ミステリー・ゾーンDVDコレクション 2014年 6/25号 [分冊百科]」が¥1,841+¥257もしますから、私には手が出ません。


 小説ではアントニー坊やにまつわる怖いエピソードがたくさん語られています。誰か2時間の映画にしてくれないでしょうかね。大学卒業以来、TVの連続ドラマとは全く縁が無く、気になるTVドラマのシナリオをいくつか読んだぐらいですが、もし「きょうも上天気(It's a Good Life)」がTV連続ドラマ化になるのなら必ず観ますから、どこかの局でやってくれないでしょうか。一番の問題は子役ですが、セリフはほとんど無い役柄ですし、アニメの声優が吹替えをする方法もあります。SFファンのプロデューサーかディレクターとSFファンの脚本家がいたらアイデアは膨らみ、エピソードは無尽蔵です。何たってアントニー坊やの能力の限界は未知数で底無しなんですから。当たると思うんですがね、10%は軽いでしょう。
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《7/26 21:45追記》
 今夜は日ハム戦でテレビ中継が無くいつもならラジオで観戦しているところだが、ラジオを聴かず、Yahoo!スポーツナビ一球速報を時々チェックしながら、別訳らしいので気になっていた映画「The Man from Earth」を観ている途中です。

 うろ覚えだが今回の訳の方がしっくりするなという印象だ。前に傑作と評したが名作の方がふさわしそうだ。観たのは札幌時代に二度で、ここへ引っ越して来てからは今日で二度目だが、訳が良くなっているのか、会話の内容が沁みやすくなっているように感じる。よく沁みるということは、会話から想起するものが増えていて、より考えさせる会話シーンが多くなったと…。

 実は英語力は大学入試がベストで今では英語が嫌いな塩梅のもので、まだ読んでいないのだが、昨年挑戦しようとアマゾンで監督によるシナリオ原著Richard Schenkman「Jerome Bixby's The Man from Earth」を購入した。本当は原作小説を読みたかったのだが、その辺の経過などもこのシナリオで説明されているだろうと考えているのだが、いったいどうなることやら……

 ビクスビーの遺作だというこの小説を誰かが訳してSFマガジンにでも掲載してくれたら有難いのだが、SFマガジン編集部さんよろしくお願いします。ついてですから、付録として字幕付き映画DVDを付けるのは如何ですか。日本のDVD販売業界は貧弱のようですから…早川書房さんDVDへの参戦は如何ですか。

 あの"きょうも上天気"のジェローム・ビクスビー遺作小説初訳と、"名作"と評判の映画化作品の初日本語字幕付きDVD「The Man from Earth」、というようなキャッチコピーで。こうなったらついでですから、リチャード・シェンクマン監督のシナリオも訳して付けましょう。映画DVDを呼び物にして原作小説と映画監督によるシナリオを付けたら本の配本ルートに乗りますので…。私なら買います。


 最初に触れた音声ブログでも話しておりますが、どこかのネット記事が情報源ですけど、「The Man from Earth」の動画ファイルがネットで拡散して話題の映画となったことから、正規版映画DVDが脚光されるようになり、監督はネットでの拡散に感謝していると。これが本当の話なのかは不明ですが、あのYouTubeの無料コースにアップされているということは、映画の著作権者が異議申し立てをしていないということなのかも知れません。
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《追記8/1》
原作小説とは無関係ですが、テレビドラマに続編がったことを思い出したので記しておく。
トワイライト・ゾーン(2002年版)
●第31話「続・子供の世界」(IT'S STILL A GOOD LIFE)
・テレビドラマの40年後が舞台で、怪物アンソニーには愛娘オードリー(6歳?)がいる。その娘が友だちと遊んでいた時に少しケガをしたことから、父親アンソニーは怒って、友だち坊やの父親をとうもろこし畑へ送ってしまう(殺してとうもろこし畑に埋葬)。これに怒ったオードリーは父から引き継いだ力に目覚めることに……
・元版は結構原作小説に忠実だったけれど、続編とはいえ、あのピアノがまだ健在だったり、元版にも無いボーリング場があったりと、物資不足の村環境を踏襲しているわけじゃないようだ。
・父親を超える力を発揮した娘オードリーと父親アンソニーは………不気味な余韻を残すラストです。
ラベル:読書
posted by yumenoya at 16:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画、テレビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月16日

宮崎駿記者会見7/13動画、「辺野古基金」共同代表として日本外国特派員協会で質疑応答

 7/15午後23時55分 日付変更間近にやっと宮崎駿質疑応答の動画を二日がかり視ましたので、アップします。
 TVを通じてのアニメではディズニーがあり、最初に鉄腕アトム、ジュピーター・8マンなどで育ちましたが、歳をとってからはナウシカ・アキラなど特異な一部の監督以外のものは関心を持たずにオジサンになりました。その中でもずっと気にかかっていたのが宮崎駿監督作品です。その宮崎駿さんが想いをたっぷり語るのではなく、質疑応答で始めるという記者会見に興味を持ちました。
 アニメ作品やマンガ作品で語っていた宮崎駿さんが、政治・社会について肉声で語りたいことは何なのか…!?

"沖縄県名護市辺野古への米軍普天間飛行場の移設に反対する「辺野古基金」の共同代表に就任したアニメ映画監督の宮崎駿"
●宮崎駿監督が安倍首相を批判「歴史に名前を残したいのだと思うが、愚劣だ」-弁護士ドットコム 7月13日(月)14時25分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150713-00003378-bengocom-soci

日本外国特派員協会のYouTubeチャンネル
●Hayao Miyazaki: One of the key backers behind the Henoko Fund to block new U.S. base in Okinawa-1時間26分57秒(通訳付き/生中継の録画)
https://www.youtube.com/watch?v=F_z8FaBU7x0

 日米の衛星テレビ放送の同時通訳にはテレビの初めから驚かされておりますが、この質疑応答の会見でも、通訳者の同時的な翻訳技量には目を見張りました。
 1.外国人の英語質問→ニュアンスを生かして圧縮日本語翻訳→宮崎応答発言を英語翻訳、2.外国人の日本語質問→(他記者のために)質問の英語訳→宮崎応答発言をニュアンスを生かして圧縮英語翻訳。独自の速記メモを取っているだろうとは思いますが、神業です、ほんと。
posted by yumenoya at 00:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする