2015年06月26日

一ノ関圭「鼻紙写楽」を読むのに役立つ豆知識(「夢の江戸歌舞伎」の"絵の注"から)

 美和さんと一ノ関圭「鼻紙写楽」についてSkypeで語っていた時に、マンガでないのに高価な「絵本 夢の江戸歌舞伎」と「江戸のあかり―ナタネ油の旅と都市の夜」をちゃんと持っていると、また一ノ関圭さんの原画が観れる展覧会へちゃんと行ってきたと。何て真面目な一ノ関圭マニアなのかと驚きました。読みたいねというと、そのうち二冊の本を送るよと…。

 念のため石狩市民図書館の蔵書を検索しましたら、何と「絵本 夢の江戸歌舞伎」がありました。6/23返本のときに借りて来ました。

★服部幸雄/文、一ノ関圭・絵『夢の江戸歌舞伎』岩波書店
 惚れ惚れする一ノ関圭さんの緻密な絵と服部幸雄さんの詳細な"絵の注"によって、私のような歌舞伎・芝居小屋ど素人にもイメージし易い入門書になっています。私の場合は、マンガ「鼻紙写楽」を先に読んでいたので、より判りやすかったという面はありますけど。

「鼻紙写楽」を読むのに知っておきたい豆知識(「夢の江戸歌舞伎」の服部幸雄さんによる"絵の注"から)◆
●幕府が興行を許可した大芝居は江戸と京と大阪(三都)にあった。
●江戸の町には官許の大芝居が三座(中村座、市村座、森田座)あった。
●毎年三都のそれぞれで活躍している役者の技芸の巧拙を評判した役者評判記が出版されていたので、他都市の人気役者たちの活躍ぶりをよく知っており、名優たちを想像しては一度観たいものだと願っていた。
●興行者(座元・太夫元)と役者の雇用形態は基本的に一年間(旧暦で11月から翌年10月まで)の契約。その間には一座のメンバーは変わらない。新年度を迎えるたびに、主だった役者の入れ替えが行われ、劇場は観客の要望に応えて人気役者を他都市から呼び寄せようと努力した。
●三都の大劇場では、毎年11月1日に一斉に顔見世興行の初日を開け、新しい年度の一座の役者たちの顔触れと彼らの得意芸を観客に披露した。顔見世は年中行事の内で最大のイベント。
●興行が成功した時は、同じ狂言で120日を越すロング・ランも珍しくない。なお顔見世は、12月10日前後までの40日間ぐらい興行。
●大入り続きで無事に千秋楽(同じ狂言での興行の最終日)を迎えて舞台が終わったら、楽屋の三階広間では座元がお金を出して"当たり振舞い"の祝宴。
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※「鼻紙写楽」では中日(なかび)に、座頭の二人娘が楽屋を廻りお菓子の進物を。役者から裏方へ祝儀が。
※「鼻紙写楽」では、中村座の表方裏方800人を統率していたのが座頭の団十郎という設定になっていますが、「夢の江戸歌舞伎」によると、老練な役者の中から座元に任命された"頭取"が「楽屋の中で起こるすべての仕事を統率し管理しています」とありますから、座頭と座元以外に頭取がいてはマンガ作品が複雑化しますので、座頭に頭取の職務を負わせて簡素化した設定と思われます。


なお図書館には一ノ関圭さんがイラストを担当している「おおふじひっこし大作戦 月刊 たくさんのふしぎ 2002年 05月号」「琉球という国があった 月刊 たくさんのふしぎ 2012年 05月号」がありましたので、この2冊も借りて読みました。図書館って意外な本があるから不思議で〜す。
posted by yumenoya at 19:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月20日

一ノ関圭「鼻紙写楽」の魅力である伏線の例(ネタバレ注意!!)、装幀画像と続巻期待&入手可能な一ノ関圭マンガ

 この一ノ関圭「鼻紙写楽」ほど短期間に何度も読み返した本は初めてのことだ。素敵なカバーが汚れると嫌なのでカバーをはずして読んでいたら、北海道もそこそこ暖かくなったからなのか、持つ手のあたる表紙・背・裏表紙の部分の印刷がすっかり色落ちしてしまった。こんなことが起きるんだ。また本書の性格上、歴史的に史実とされることと作者の創作部分を整理する必要性を感じたのと、ストーリーの流れ(ほぼ時系列)で伏線的な意味深セリフ(独白含む)などをメモしておく必要があったことから、表ソフト・エクセルを使った。表ソフトを用意して読書をしたというのはもちろん初めてである。

 本作のスゴイところは読み返すたびに新たな発見があること、作者の緻密に計算され用意された伏線に気付かされることだ。この発見の心地よさが一ノ関圭作品の持つ魅力のひとつでもある。その例のひとつを紹介しておこう。
 一番最初に軽く流して読んだ時に気になったシーンがあった。"第二場 卯之吉 その一"の口入屋(職業斡旋所)で、(P149)「はしっこすぎるのやませたのはいけないよ」「それに…」「弟がいたのはあの子だけさ」と意味深な発言をした女は誰か?というもの。二回目の少しじっくり読んだときに判りました。(P151)「あ――やっと来た来た!」「ちょっとおそかったじゃないか」「忙しいんだよ、きょうは」「あんたなまえなんというの?」ちぢまつの顔を知っているが名前は知らないということは、この待っていた女が意味深発言の女でした。それが女中頭おこな。(これは伏線とその答えの近い例ですが、手ごわい伏線がたくさん用意されております。続巻のための伏線も多い。)
 この"ちぢまつ"が登場し"卯之吉"という名がつくまでたった8ページで、そしてあの濃密なストーリー展開ですから、一ノ関圭作品にはいつも驚かされます。用意周到で緻密な構想・創作ノートの存在をうかがわせます。その上あの驚異の絵ですから、寡作にならざるを得ないのですね。ファン読者はただじっと待つしかありません。覚悟せよ!!

《読者としての反省》
 今でもふと思い出して関連する場面を読み返すことがある。そして気にかかったらエクセルにメモを追加で残しておく。今日気になって開いたのは、勝十郎の婚姻でのりはに対する決意「これからはおまえの夢がおれの夢だ」。次は父に打擲された回想の場面へ「この、世の中の規矩にはどうしようもないこともあるのだ。よいか、わかったか勝十郎!?」そして「鼻紙写楽」始めでもある勝十郎登場シーンへ移動。ここ(最初に読んだ6/4から17日目の今日)で初めて気づきました。勝十郎の左目あたりに殴られたようなアザがあります。同心の父が家に居たという事は恐らく夜だろう。家を飛出し眠れない夜を徘徊したかも知れない勝十郎。(父に諭された翌日)気づいたら繁華街の通りを歩いていた勝十郎は、聴こえてきた太鼓の音に気付き、音のする方向へ向かう。そこは芝居小屋の通りで「芝居小屋を初めて覗いたのは十四の齢だった」という大切な3ページだったことに。アザのつながりに気づく前は第一場の主人公の単なる登場シーンだと思っていました。
 これは私の読み方に問題があったようです。普段からセリフ>ト書き>絵という順番で重きを置いてマンガを読んでおりますが、一ノ関圭作品の場合には絵で表した伏線もあるということで、四度目の再読が必要のようです。読み方の甘い自分の至らなさに反省(*- -)(*_ _)


◆素敵な装幀&連載・単行本の功労者などを画像で紹介◆
●カバー
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切手ファンにはお馴染みの切手趣味週間シリーズの写楽(寛政6年(1794)作品)は、市川蝦蔵(五代目団十郎)演ずる『恋女房染分手綱』の竹村定之進、とのこと

●帯
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《表》
伝説の作家、復活!
絶賛
隅から隅まで繰り返し
この世界に浸りたい。
待ってました! この一冊!
高橋留美子(漫画家)
四半世紀ぶりの新刊!
《裏》
寛政元年(1789)、上方にない錦絵の技法を学ぶべく、
ひとりの絵師が江戸に下ってきた。
流光斎如圭、後に"東洲斎写楽"の名で知られることとなる男である。
如圭は、到着早々、ひわと名乗る女と出逢う。
ひわは、なんと江戸歌舞伎の大名題五代目市川団十郎の娘であった。
出版、芝居、政治の世界をも巻き込んで、巨大な渦が巻き起こる。

雑誌掲載原稿に大幅加筆し、
さらに新エピソード52ページを描き下ろした、
一ノ関圭、渾身の大作。

東洲斎寫楽
―あまりに真を描かんとて
あからさまにかきなせしゆえ
長く世におこなわれず―
    「浮世絵類考」より

●本体
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持つ手の汗とスレによって印刷の色がすっかり落ちしてしまいました。次巻ではもっと頑丈な装幀をお願いします。
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●目次
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●初出一覧
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●奥付
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《世に送り出してくれた編集者さん方》
★連載担当 園田浩之、片岡靖子(フリー)、佐藤敏章
★単行本編集責任 大島誠
★単行本編集 佐藤敏章(フリー)、橋本俊輔(小学館ナニング)
★企画者 佐藤敏章(フリー)
★装幀 大野鶴子+Creative・Sano・Japan


◆読者からのお願い◆
疑問や謎がまず気にかかっておりましたので、
それにようやく気づいたのは6/4スタートで3回目読了の6/15のことです。
最終ページ下段に"「鼻紙写楽」第一幕―完―"とあることに…
ということは"第二幕"を想定しているということですよね。
編集の親分と思われる佐藤敏章さんをはじめ、よろしくお願いします。
日本マンガ界の"至宝"と云ってもおかしくない一ノ関圭作品の続巻をお待ちしております。


 もうかなり昔のことですが、ネットをウロウロしていました時に個人経営の小さな出版社のサイトにあった「編集雑記」というページに辿り着きました。その「編集雑記」が赤裸々な心情吐露で殊更面白かったことから、勝手に夢の屋サイトのリンク集に加え、一応事後承諾をと思いメールを差し上げてから、編書房の代表・國岡克知子さんと時々メールをやりとりするようになりました。ある時「編集雑記」にマンガ家・紡木さんの名前を見かけるようになりました。私も昔はマンガ貸本屋でしたので、紡木たく作品を読んでおりましたけど、格別ファンではありませんでした。ただ紡木たくさんが新作品をずっと描いていないことは知っておりましたので、ちょっと驚きました。というのは、編書房さんはマンガ作品を手がけたことは無く、マンガ関連本もやっておりませんでしたので…。恐らく紡木たく作品ファンであった國岡克知子さんがファンとしてマンガ家・紡木たくに接触し、そして何度も逢って会話するなかで、作者に新作を描くその気にさせた、それもマンガ作品の実績の無い小さな出版社が…。この時は思い起こしたのは、編集者は産婆役だという編集人誰かの言葉ですが、編集者って何とスゴイ仕事なんだろうと感じた次第です。
 その一編集者がマンガ家を口説いてできた作品が「マイガーデナー」です。そして2007年発売時の出版社からのコメントは「12年の沈黙を破って、久々に描き下ろしたコミックです。……(中略)……紡木さん独特のセリフ、読者に考える余地を残しておく詩的な絵柄、背景を描き込まない白の多い構図、これらが一体となって、哲学的ともいえるコミックに仕上がっていると思います。」(編書房は2011年に廃業)

 今回の一ノ関圭作品「鼻紙写楽」でも似たようなことが…。マンガ家としては長らく何も発表していない一ノ関圭さんとずっと接触していた小学館の編集者がいて……という中で雑誌掲載が始まり、連載もスタートし、そして連載作品原稿の加筆と描き下ろしエピソードを加え単行本になってファンの前に復活!!


◆まだ入手可能な一ノ関圭マンガ作品◆(2015.6/20現在)
bookshop小学館には文庫本2冊の在庫有り
いつでも在ると思うな新刊!!絶版が待っている!!
◎一ノ関圭「らんぷの下」小学館文庫(2000年)
http://www.bookshop-ps.com/bsp/bsp_detail?isbn=4091924611

◎一ノ関圭「茶箱広重」小学館文庫(2000年)
http://www.bookshop-ps.com/bsp/bsp_detail?isbn=409192462X

◎一ノ関圭「鼻紙写楽」小学館(ビッグコミックススペシャル)
http://www.bookshop-ps.com/bsp/bsp_detail?isbn=9784091870803
これらはアマゾンにも新品としてありますが、古本はプレミアム価格ですので、高価なものに手を出さないようご注意を。

 普段マンガを読まないような小説派の友人にも是非一ノ関圭作品をオススメしましょう。文芸派などもこれらの濃い内容と絵の表現力にきっと驚くことでしょう!!ただ友人にすすめる時には付け加えるべきかな、手ごわい作品だぞ!一回読んだぐらいじゃ構成の細部は理解できないはずだぞ!と。
posted by yumenoya at 20:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月17日

重厚な傑作・一ノ関圭「鼻紙写楽」を紐解く(ネタバレ注意)その一

 「鼻紙写楽」が到着したのは6/4のこと。この紐解き文章を書き始めたのは6/15からです(アップしたのは6/17午前2時)。なお当方は、肝心の歌舞伎や浮世絵についての知識はほぼゼロ(一ノ関圭『茶箱広重』と忘れてしまったけど北斎についての小説ぐらいか。迫力のある月岡芳年は好き)。ただ中村仲蔵については落語で読んだ(聴いた)ので、定九郎の記憶はあるという程度。戯作者に関しては井上ひさし「戯作者銘々伝」をかなり昔に読んだくらいだが、江戸の庶民生活については昔から結構関心があるので川柳も含め解説書はそこそこに。


 最初の流し読みは届いた6/4に終わった。この一回目は、疑問などが浮かんでもあまり悩まずに、単行本の掲載順に沿って大まかな話の流れを掴もうとしました。疑問はたくさん残りましたが、久々に読み応えのある作品を読んだなというのが最初の感想です。

 二回目は雑誌掲載順に読み始めましたけど、次のことを意識していました。
 単行本を読む前の6/1のブログに記しましたが、2001年夏の雑誌予告では「みぢか夜の夢」となっていたものが、同年12月発売の雑誌には違う作品「牡丹芍薬 第1幕 初鰹」(単行本では"幕間「初鰹」")が掲載されましたので、当初予定だった「みぢか夜の夢」とはどんな作品なの?と、作者の中で起きたであろう作品構想の変化を読み解くことです。
 また一回目はあまり戻らずに読みましたけど、今度は疑問点や謎があまり残らないように結構精読しました。気になる点についてはネットで調べながら。(A4用紙4枚のメモ)

 そして三回目は単行本の順を基本に、進むのも戻るのも勝手し放題で、作品世界と歴史上の事実とを比較しながら読み、作者の創作部分を整理すること。残った疑問と謎を紐解くこと(作者は巧妙な伏線をちゃんと用意してくれているので、しっかり読めばほとんどは解けるはず)。そして作者の全体構想(その変化も含め)に肉薄する(したい)ことを意識しつつ。(表ソフト・エクセルに整理)(追記:読み返したらキリがないので、一応一段落ということで再読を中止しました。でも短期間にこれほど読み返した作品は我が人生で初めてですから、それほどワクワクさせる傑作なのでしょう。カバーの汚れるのが嫌なので、カバーをはずして読みましたが、本体の表紙・裏表紙・背はすっかり色落ちしてしまいました。百回以上は手にしていますから手汗で本体の印刷消え・色落ちも当然なのでしょう)


 結論の一つを言うと、作者がまだ語っていない、直截には描いていない、秘匿している設定の謎はいくつかありますが、その一つは解けました(と思う)。私の思い至った設定にしないと多数の伏線は成立しないというのが、その謎についての私の結論でした。
 「鼻紙写楽」を作者が読者に挑戦した推理ドラマだとすると、読み解くのは読者ですから、この私の結論は秘匿します。私の読みを念頭に読んだならば、この謎を解明するために何度も読むという愉しみは無くなってしまいますから。
 これ以外はネタバレですので、これから「鼻紙写楽」を読みたいと思っている方は、決して読まないようにお願いします。作者が折角用意してくれた伏線に気付く楽しみが無くなっちゃいますからね。


当初予告された「みぢか夜の夢」と実際に掲載された「牡丹芍薬 第1幕 初鰹」、そして構想の変化
 上で紹介したブログに記してありますが、新作予告が出された雑誌の巻頭カラー特集は「一ノ関圭の世界」で、
"先日岩波書店より出された『絵本 夢の江戸歌舞伎』の一部などが紹介。
その解説によると、1992年の『クレソン』以降、氏はマンガを発表していないとのことだが、
江戸歌舞伎の世界をテーマにした作品を構想中
"と(追記の注:これは当時2001年の掲示板に私が書いた文章の転載です。)

 『絵本 夢の江戸歌舞伎』の頃の一ノ関圭さんをうかがわせる貴重なインタビュー記事がありました。
著者に聞く第二弾 『夢の江戸歌舞伎』 服部幸雄氏・一ノ関圭氏-KABUKI TODAY
http://homepage3.nifty.com/kejokoku/book/script/yume_no_edokabuki_script1.htm

 江戸歌舞伎の舞台や楽屋裏などを勉強・知悉した一ノ関圭を、小学館(ビックコミックSPECIAL増刊 特集時代歴史コミック)の編集者が口説いてくれたのでしょう、ほぼ十年振りの新作です。(「鼻紙写楽」の奥付では珍しいと思いますが編集者の氏名が列挙されています。ファンとして皆々様方に感謝です)

 何故予告「みぢか夜の夢」を違えて「牡丹芍薬 第1幕 初鰹」に変わったのか?単純ですが、作者の中で「みぢか夜の夢」の構想が膨らみ過ぎて締切に間に合わないことになり、かと言って予告していて延期はファンに申し訳ないと、「牡丹芍薬 第1幕 初鰹」を掲載することに。(単行本では幕間扱いで収録し本編のエピソードでもある)
 すると延期された「みぢか夜の夢」は?「牡丹芍薬 初鰹」のほぼ二年後に掲載されたのが、「鼻紙写楽 第二場 卯之吉 その二」の部分ですから、その原型が「みぢか夜の夢」だったとまず考えるのが普通でしょう。これまた単純発想ですけど…。

 手元にこの掲載雑誌2冊が無いので、単行本化の時にセリフなどが変えられている可能性があり、厳密な検証はできないけれど、元の題名からある程度の類推はできます。私が勝手にそう推理しただけなんですけど。
 ネットで調べると"みじかよ(短夜/みじか夜)"は季語で、夏の夜の短さ、はかなさを惜しむ気持ちを重ねているそうです。「みぢか夜の夢」にぴったりなのが、蔦屋の台詞「安永・天明年間を通して戯作界をひっぱってきた武家作家たちがここにすべて退場しました。」「これからは町人の時代ですよ。」で、これは「鼻紙写楽 第二場 卯之吉 その二」の結びの言葉です。更に拡大すると"田沼時代"とダブらせることも、活躍期間の短い"写楽"も連想できます。また雑誌が無いので確認は不能ですが、連載を謳っていない読切り掲載だったとしても、謎の女"りは(りわ)"についての消化不良は残りますけど、それもありかなと。

 更に最初の掲載"牡丹芍薬"という題名についてですが、"牡丹芍薬"で連想するのは皆と同じで「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」という言葉。美しい女性を形容する言葉が何故題名なのか?
 「鼻紙写楽」を読んで一番目立つ女性キャラクターは成田屋の美人姉妹の妹"りは(りわ)"で、"成田屋の二ツ玉"(源さん(源蔵/後の四代目鶴屋南北)は「一つで二倍威力のある火薬」と解説)と呼ばれており、伊佐次との出会いシーンでもある菊之丞事件では助六風に同心に喧嘩を吹っ掛ける無鉄砲な男勝りです(昔の映画だと中村錦之助の一心太助ですなあ)。そしてこの「鼻紙写楽」で一番謎の多いのが"りは(りわ)"ですから、私は本作の主人公は"りは(りわ)"だと思っています。
 ウィキペディアWikipediaで市川團十郎(7代目)を調べると判ることですが、「母は五代目市川團十郎の次女すみで、生後間もなく六代目團十郎の養子となる。」とありますから、本作の"りは(りわ)"は7代目の母となります。「牡丹芍薬 第1幕 初鰹」の中のセリフに「似てきやがったぜ顔立ちが。おやじの写楽によ。」とありますから、「第三幕 仲蔵 その二」のラストシーンの夜に"りは(りわ)"が7代目を身ごもったことに。"りは(りわ)"は登場しない「牡丹芍薬 第1幕 初鰹」ですが、「おやじの写楽によ。」と"りは(りわ)"を匂わせていますから、当初の"牡丹芍薬"は別段不思議ではありません、"りは(りわ)"が主役なのですから。男に生まれたかった"りは(りわ)"の行動にはまだまだ謎が多いですが、それは続編を期待するしかありません。
 現時点で考えると、構成に変化はあったが「牡丹芍薬 第1幕 初鰹」は作者にとっては、写楽と7代目の母とを予告するための予定行動だったと考えることもできます。

 "りは(りわ)"と"伊佐次(後の東洲斎写楽)"が結ばれるシーンで、1階にいる猿助は「お嬢に指一本さわるんじゃねェ!!」"くされ絵師""捨て絵師""鼻紙絵師"と叫んでおります。これが題名"鼻紙"の出処ですけど、浮世絵が評価されるのは明治になってからで(それも海外発信から)、その前はどうかというと、想像するに大切に蔵書されたもの以外は、襖の裏張り、茶碗や皿など陶磁器の包み紙・挟み紙、日本茶箱の湿気吸い取り紙などが用途で(そんな形で出島を出たものもあったでしょう/幕末には物好きな外国人がいたかも知れないけど)、それを"鼻紙"のようなものとして形容し「鼻紙写楽」となったのか?また"写楽"には楽屋を写したからという命名説がありますけど、本作でも永寿堂西村屋が伊佐次に説明しておりますが、当時の役者絵は何も本人に似ている必要はなかったようで、そんな風潮を揶揄して"しゃらくせい(しゃらくさい)"というのが最初で、その当て字が写楽斎で"写楽"になったと考えるのがすっきりします(本人に似ている写楽の絵は不人気だったらしいけど)。本作は歌舞伎役者の愛憎ドラマの面がありますから、楽屋を写した"写楽"をもっと広げ当時の世の中(沼田時代と寛政の改革)を写したいと作者は考え「鼻紙写楽」という題目に。

 徳蔵(小海老)の問題の事件を描くには「勝十郎 その一」が必須で、そして沼田時代を描くには政治ドラマとならざるを得なく、少し異質な「勝十郎 その二」「勝十郎 その三」となった。でもこの「勝十郎」の場は一ノ関圭久々の推理劇として堪能いたしました。

 「鼻紙写楽」を堪能した読者としては、掲載順ではない単行本の時間軸順掲載の方が読みやすいように感じました。(追記:こんな濃厚な話を時間の流れでは無くって、掲載順に編纂されて読まされたら、頭クラクラになってしまって、読者は付いていけませんというのが私の感想です)

 何か急いでいるような書き方に変わってきておりますが、もうそろそろブログ記事作りから解放されたいということと、ブログのタイトルに"その一"とは入れたもののこの記事作成に丸一日かかっておりますから、更に続きを書くのはちょっとしんどいなと。続編を止めた時には、少し整理したエクセル表(幕ごとの主要登場人物とその発言・行動、幕ごとの残る謎(意味深セリフなど)や私の解釈・疑問など(「勝十郎」の場では作者の創作と思われる事件などを明記)、ネットの各種ページへのリンク)のみで濁すかもしれません、そんな時には、あしからず。


 最後に一番気に入っているシーンとカットを紹介しておきます。
★役名をもじった綽名(「あご八汐」「目玉政岡」「しわ政岡」)を使うことで心を通わせる徳蔵と卯之吉(「卯之吉 その一」P164〜170は良いシーンですね)
★「――が、卯之吉は見のがさない。」/「団十郎の瞳にその時よぎった一瞬の憎悪を!」(「卯之吉 その四」の結びページP332迫力一番のコマ)


注・明日にでも本文部分を除く単行本の画像(素敵な装幀です)をアップする予定です。
 6/20投稿のブログ記事の中で、画像をアップしました。
 http://yumenoya.seesaa.net/article/421012297.html
注・そうそう美和さん情報があったので確認しましたら、アマゾンで新品が復活しておりました。
今確認しましたらお膝元のbookshop小学館でも復活、ということは増刷したの!?
「いつでも在ると思うな新刊!!絶版が待っている!!」――借りて読んだ人は急げ
posted by yumenoya at 02:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月07日

川島雄三監督「幕末太陽伝(幕末太陽傳)」の気になっていた幻のラスト・シーン

 監督川島雄三に少し興味があることと、「幕末太陽傳」にまつわる面白いエピソードが何か書いていないかなと思って、図書館で先日借りた。
藤本義一「川島雄三、サヨナラだけが人生だ」河出書房新社(2001/01)

 藤本義一氏のエッセイ、小説「生きいそぎの記」(再読)、講演、対談を読んでいましたら、一番欲しかったものが見つかりました。(シナリオ「貸間あり」を読むのはこれからです)

【対談|かわしま・ゆうぞう考 3】「我らが師匠・川島雄三監督の魅力的人間像をさぐる」VS小沢昭一(『キネマ旬報』77年1月上・下号)から抜粋(P195〜6)
 "小沢昭一「(略)監督にしてみれば、あの発想は『幕末太陽伝』のときからやりたかったものなんです。『幕末太陽伝』のラストは、フランキー堺が合成の富士山の手前を海沿いにどこまでも走って消えていくシーンだったんですが、川島さんとしては本当は、全部の登場人物が昭和の品川の赤線の両側に、現代服で揃っていて、「ちょいとお兄さん」というふうにして、そこをフランキー堺だけがチョンマゲ姿で駆け抜けていくようなシーンにしたかったんです。撮影が三分の一くらいすんだところで、「……それをやります」ってなことを言っていました。ところが役者が集まらないんですよ、もう。監督は全員揃えたかったんですが、みんな散ってしまって、チーフの今村昌平さんが、あたふたと役者のスケジュール洗いをやったけど、結局、できなかった。監督はえらく御不満だったですね。僕自身も、ラスト・シーンをそうすれば、また一段と冴えた作品になったんじゃないかと思います。その手を使ったのが『雁の寺』だと思いますが、うまくいかなかったんですね。」"

 川島雄三監督が撮りたかったラストシーンは本当は違い(公開された映画は、フランキー堺演ずる佐平次は品川の海沿いの道を駆けて小さくなってラスト)、佐平次は駆けるとそこは現代の品川になり、そこを駆け続けラストという斬新なシーンだったとネット記事を読み気にかかっていたのだが、出処(証言者)が明記されていないものだから、ずっと気にかかっていた。上の小沢昭一氏談によると、凄いラストになっていたんだと、そのシーンを思い浮かべるだけでワクワクします。ウィキペディアWikipediaによると、「脚本段階では、(略)」「但し、フランキー堺は後に「あのとき監督に賛成しておくべきだった」と語っている」とありますが、脚本の決定稿では実際どうなっているのかと、フランキー堺が何処でそう語っているという生証言の出処並びに出演者・スタッフはラスト・シーンについてどう語っているのかが気になります。

 そんな事はどうでもいいじゃないかと言う人が多いかも知れないが、そんな些細なことが気にかかって尾を引くから私にとって"名作"なのかな。映画でも小説でもマンガでも、"あのセリフの意味は?"とか気になって数年続くのは、たいした作品なのでしょう。どうでもいい作品に対する疑問は、別に意味は解らなくとも、すぐ忘れてしまいます、全く尾を引きません。そんなのがほとんどです。そして記憶から消滅……
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2015年06月01日

衝撃の新刊 一ノ関圭「鼻紙写楽」小学館/「牡丹芍薬(初鰹)」掲載の頃|追記6/2&6/4(絶版か?&掲示板追加)

 16時15分頃、古本の梱包が終わり郵便局に集荷依頼の電話をしようと思った時に電話が鳴った。秋田の美和さんからだ。
 スカイプで話すと一ノ関圭の新刊が出たことを知っているかと。初耳で驚いたけど、新刊を探しているのだが、どこにも見つからないとのこと。アマゾンへ行ったら、3/20発売で¥ 1,944、ちょっと高いが一ノ関圭なら欲しい、読みたい。
●一ノ関圭「鼻紙写楽」小学館(ビッグコミックススペシャル)
2015/3/20 426ページ
http://www.amazon.co.jp/%E9%BC%BB%E7%B4%99%E5%86%99%E6%A5%BD-%E3%83%93%E3%83%83%E3%82%B0%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB-%E4%B8%80%E3%83%8E%E9%96%A2-%E5%9C%AD/dp/4091870805/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1433143198&sr=1-1&keywords=%E4%B8%80%E3%83%8E%E9%96%A2%E5%9C%AD

 アマゾンには新刊の注文受付はあるのだが、そこには「一時的に在庫切れ; 入荷時期は未定です。」と表示されている。"入荷時期は未定"はそのまま絶版ということがあるから、急ぐ必要がある。ここで思い出したのは、先日の小林まこと「瞼の母」の時は出版の講談社へチェックに行ったから、今回は小学館だとそのコミック・コーナーへ。小学館では直接の販売をやっていないようで、主な販売先コーナーに行くと、そこにはbookshop小学館、アマゾンなどへのリンクがありました。一番ありそうなのは、おひざ元のbookshop小学館だと思って入ると、注文を受け付けておりました。「美和さん、ここには在庫があるよ!!」早速会員登録して注文が無事確定しました。
 私のように本屋に全く行かない、新刊発売を知らなかった一ノ関圭ファンは、急ぎましょう。bookshop小学館ならまだ在庫しているはずですから。「いつでも在ると思うな新刊!!絶版が待っている!!
http://www.bookshop-ps.com/bsp/bsp_detail?isbn=9784091870803
(ここの解説で気になることがあります。"巻末描き下ろし「初鰹」"とありますが、アマゾン"カスタマーレビューの£±±さん投稿"によると"「初鰹」ビッグコミックスペシャル増刊 2002年1/3号(牡丹芍薬 改題)"とあり、江戸の芝居小屋を舞台とした「牡丹芍薬」は「鼻紙写楽」シリーズの連載前に発表されたことを考えると、改題収録の説が正しいと思う。気になり当時の掲示板書き込み(注:下段に2001年記事転載)を確認すると、雑誌掲載時には「牡丹芍薬 第1幕 初鰹」となっている。なら小学館は何故訂正しないの…??)
《6/4追記》昨夜、美和さんから電話がありスカイプ開始。ほぼ同時注文(ちょっと俺の方が早かったから、美和さんは手続きしながら在庫を心配していたが、無事注文了、世の中タッチの差はあるから)だったので、東京に近い秋田県にはもう『鼻紙写楽』が届いたと、すると俺に届くのは明日か(本日6/4には配達される予定)
・電話の本題は、ネットをやっていない友人に『鼻紙写楽』を贈ろうと、bookshop小学館でのプレゼント注文の方法を調べるのにちょっと手間取ったが、注文しようとしたら、在庫無しになっていたと……
・ひょっとしたら、少しは俺の所為かも…ブログの記事で"急げ"と書いたから…でもそんなに読んでいる人がいるとは思えないけどな?(友人には古本屋が煽ったから在庫がなくなったと説明する由)
・アマゾンを確認すると、新品のリンクが消え、「買取サービス」(初見なので内容不明)というリンクが増えていました。また、おひざ元のbookshop小学館にも重版・増刷予定などの注意書きが無いということは、雰囲気的には絶版モード突入のような感じです。(タッチの差で注文できた方は、おめでとうございます)
《更に追記》美和さんによると、諦めきれずネット新刊本屋を色々あたってみるが全滅。実店舗ならどうかと自転車30分の距離にできたTSUTAYAに電話で照会し、電話での回答を待っていたら、一冊有りましたと連絡のこと。灯台下暗し。近くの大型書店に電話照会してみるべし!!返本しないでまだ並んでいる可能性はゼロではない。一ノ関圭は一般的に有名なマンガ家じゃないから


 "一ノ関圭"というマンガ家を知らない人は多いかも知れない。寡作でめったに新作を描かない人だから。でも1975年のデビュー作「らんぷの下」(ビッグコミック賞受賞作/この時のペンネームは"夢屋日の市")に驚いた人は多いはず、達者な絵と巧みな構成に。ホントに新人なの!?これほど衝撃なデビューをしたマンガ家は、一ノ関圭以降誰もいません(貸本屋廃業以後の事は無知だが)。

 今日"一ノ関圭"の新刊で電話をくれた美和剛さんは、当時誰のアシスタントだったのか忘れてしまいましたが、マンガ家にとっても驚きの作品だったようで、1975年デビュー作を共有し、その衝撃について語れる唯一の人です。

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アマゾン・カスタマーレビューの£±±さん投稿によると
"【掲載作】
・第一場
 「勝十郎 その一」ビッグコミック1 2007年12/1号(鼻紙写楽 第七幕 改題)
 「勝十郎 その二」ビッグコミック1 2009年4/12号(鼻紙写楽 第八幕 改題)
 「勝十郎 その三」描き下ろし
・第二場
 「卯之吉 その一」ビッグコミック1 2005年1/24号(鼻紙写楽 第三幕 改題)
 「卯之吉 その二」ビッグコミック1 2003年12/28号(鼻紙写楽 改題)
 「卯之吉 その三」ビッグコミック1 2004年7/1号(鼻紙写楽 二幕目 改題)
 「卯之吉 その四」ビッグコミック1 2005年8/1号(鼻紙写楽 第四幕 改題)
・第三幕
 「仲蔵 その一」ビッグコミック1 2006年1/1号(鼻紙写楽 第五幕 改題)
 「仲蔵 その二」ビッグコミック1 2006年10/1号(鼻紙写楽 第六幕 改題)
・幕間
 「初鰹」ビッグコミックスペシャル増刊 2002年1/3号(牡丹芍薬 改題)"

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《追記6/2》雑誌連載も結構読んでいたので、単行本になるぐらいのページ数はまとまったはずだけど、どうしたのかなと時々考えておりました。それなりの歳になると(いつ死んでもおかしくないから)、生きているうちに読めるかなとふと考えることがあります。ですから、新刊のニュースは"衝撃"でした。それを知ったのは発売から二か月以上経ってからの古ニュースでしたけど…

 このシリーズを何処まで読んだのかは全く記憶に残っていない。入手した掲載雑誌は取ってあるが、引越しダンボール箱の中だ。新刊が到着して読めば判ること……でも季刊のような雑誌にポツポツと、2002年〜2009年に9回連載ですから、"寡作の""幻の"と評されているのは理解していただけるでしょう。

 ですから、"一ノ関圭"の久々の新作予告が雑誌に載った時には、ホントなのと驚きました。久しぶりに描くこと自体が信じられないという感じでした。その当時のことを古い記事から再現します。

《掲示板2001年の書込み》↓6/4追記の2(掲示板で最初に話題にした書き込みが抜けていたので追加↓)
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平田弘史の新作と一ノ関圭の新作予定 投稿者:夢の屋  投稿日: 7月26日(木)13時23分43秒

「ビックコミックSPECIAL増刊 特集時代歴史コミック」(8/2増刊)に
平田弘史の新作「大いなる愛の舞」50Pが掲載。
また、巻頭カラー特集4Pが「一ノ関圭の世界」で、
先日岩波書店より出された『絵本 夢の江戸歌舞伎』の一部などが紹介。
その解説によると、1992年の『クレソン』以降、氏はマンガを発表していないとのことだが、
江戸歌舞伎の世界をテーマにした作品を構想中で、
次回の「ビックコミックSPECIAL増刊」(秋ごろ発売)に登場とのこと。
久々の時代もの作品で楽しみだが、増刊号だと発売のことを忘れてしまいそうだ。

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(2001年9月14日付け道新夕刊)第17回目 漫壇 ただ今貸出中
「らんぷの下」一ノ関圭  濃厚な青春期の愛憎劇
http://www.d3.dion.ne.jp/~yumeya/doushin-17.html
(雑誌の予告によると、江戸歌舞伎の世界をテーマにした十年ぶりの新作がこの秋に発表されるとのこと。絵師と冠されるマンガ家は故上村一夫など数少ないが、伝説の絵師は今度どんな作品で待ちくたびれたファンをうならせてくれることか、雑誌の発売が待ち遠しい。)

江戸歌舞伎の世界をテーマにした新作「みぢか夜の夢」が掲載予定の雑誌は「ビッグコミック・スペシャル増刊号」(秋ごろ発売)なので、要チェック。

《掲示板2001年の書込み》
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一ノ関圭さんの新作 投稿者:夢の屋  投稿日:10月20日(土)16時36分56秒

mtakahasiさん
あまり反応のないコラムなもので、読んでいる方がいるというのは、嬉しいです。
「親なるもの 断崖」では、今回また読み返して、泣けてしまいました。
ちょうどアフガン空爆にぶつかったので、第二部には考えさせられました。

一ノ関圭さんの新作については私も何時発売なのか気になっています。
雑誌コーナーとは全く縁がないので、本日小学館に質問メールをだしました。
回答がありましたら、ここでお知らせします。
ただ小学館には、二度メールを無視されていますので、回答があるかどうか。
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一ノ関圭さんの新作情報 投稿者:夢の屋  投稿日:11月 9日(金)13時48分36秒

ビッグコミック編集部より下記のとおり照会に対する回答メールがありましたので、
一ノ関作品のファンにお知らせします。
予定変更がありましたが、新作が2作も読めそうです。
「ビッグコミック・スペシャル増刊号」(時代劇スペシャル増刊)を要チェック
今度も平田弘史さんの作品が掲載されることを願っています。

お問い合わせの一ノ関氏の作品掲載に関しお答えさせていただきます。
「みぢか夜の夢」というタイトルで告知いたしました作品に関しては、
申し訳ありませんが、作家側の事情により今回の増刊号では掲載
できないことになりました。それに代わり、8ページと掌編ではありますが
「牡丹 しゃくやく」というタイトルの一ノ関氏の新作が掲載となります。
「みぢか夜の夢」に関しては、次回以降の同種の増刊号
(時代劇スペシャル増刊)にて発表の予定ですが、
現状そこまでしかお答えできません。いついつ発売の号で掲載です、
という明確なお答えができず、申し訳ありません。
「牡丹 しゃくやく」が掲載になる号は、12月3日(月)発売予定です。
こちらも一ノ関氏の実に待望久しい新作です。まずはこちらを
ご一読いただけましたらと、切にお願いする次第です。
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一ノ関圭の新作 投稿者:夢の屋  投稿日:12月 5日(水)13時15分14秒

「ビッグコミック・スペシャル増刊(特集・時代歴史コミック)」(2002.1.3増刊号)に
「牡丹芍薬 第1幕 初鰹」P10が掲載されました。
江戸の芝居小屋を舞台にした初鰹をめぐる役者同士の意地の張り合いを描いています。
川柳ではよく取り上げられる「初鰹」だけれども、意外と本数は獲れなかったんですね。
町人が見栄で購入したというのは、本来の「初鰹」とは違うのかもしれない。
10年振りの新作でしたが、やはり絵は達者です。
そしてたった10ページの中に色んな登場人物が描写され、密度も濃い。
第1幕とあるからシリーズで描いてくれるのかな。
当初告知された「みぢか夜の夢」についての告知は何もなかったけど、4カ月後にチェックだ。 
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posted by yumenoya at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする