2006年05月30日

●“火星人パニック!”と“オレオレ詐欺”

オーソン・ウェルズのラジオ・ドラマ「火星人来襲」について、
以前このブログの下記のページで紹介した。
2004年10月24日★シナリオ「火星人来襲」(ラジオ・ドラマ 1938年)

先日、たまたまNHKの深夜の再放送「ためしてガッテン」を視ていたら、
その日のテーマは“オレオレ詐欺”
「初公開!脳力が決め手・オレオレ詐欺最新対策(2006年5月17日放送)」
その中で、この“火星人パニック!”が取り上げられていたので、
忘れてしまわないうちに、このブログにメモを残しておく。
番組の概要はNHKの上記ページで確認願います。

この番組によると、このパニックの後、調査が行われたようで、
それによると、120万人が本当の事件と信じ込んだらしい。
番組では、“確証バイアス”という心理学用語で、人間の陥りやすい心の傾向を解説していた。
この“確証バイアス”については次のページがありました。
確証バイアス confirmation bias
“人は否定よりも肯定によって動かされ、かきたてられる。
これは人に特有で永続的な誤りである。”―フランシス・ベーコン
なるほど、思い込みには気をつけたいものです。

「オレオレ詐欺、オレは大丈夫だよ」と思っている私のような人間も対策が必要のようです。
私は念のため、“火星人パニック”と赤マジックで書いた紙を、電話機に貼りました。
posted by yumenoya at 12:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月24日

■ホーガンの『星を継ぐもの』に始まるシリーズ全4部作は今年一番面白かった小説

★ジェイムズ・P・ホーガン『ガニメデの優しい巨人』『巨人たちの星』『内なる宇宙 全2巻』創元SF文庫
前に紹介したシリーズ第一作『星を継ぐもの』の面白さが半端じゃなかったので、
『ガニメデの優しい巨人』『巨人たちの星』と続けて読んだ。
展開が気にかかってベッドの中で眠い目をこすりながら読んだ長編ものは久しぶりだ。

月面で宇宙服姿の死体が発見された。
現代人とほとんど同じ生物なのにもかわらず、なんと死後5万年以上も経過していたのだ。
いったい何者なんだ?
謎が謎を呼ぶシリーズ作品は、この不思議な死体で始まる。
人類誕生とその文明を巡る壮大なドラマ、
小惑星帯の誕生の謎、地球の衛星である月の来歴、古代文明の謎などが解き明かされていく。
飛躍的に進んだ科学技術を有する宇宙人との接触(人類にとってのファースト・コンタクト)、
この宇宙人たちは草食性であるがゆえに肉食の人類とは全く違う思考形態を持っている。
“疑うこと、争うことを知らない”宇宙人ガニメアンの考え方、行動について読みながら、
他の生物を啖らうことでしか命を紡げない“悲惨”な星(妖星)として地球と描いた
半村良『妖星伝』を思い出していました。
ガニメアンのような宇宙人の存在の可能性は、カルチャーショックだ。
SF小説ならではの思考実験…
かなり後に書かれたというシリーズ第四作『内なる宇宙』は、前三作とはちょっと異質な後日談。
『ガニメデの優しい巨人』と『内なる宇宙』とは、
ファン投票で選ばれる星雲賞の受賞作とのことですので、SFファンには有名な作品だったようです。
日本SFファングループ連合会議・星雲賞リスト
今年読んだ小説では、一番の面白さでした。未読の方にオススメいたします。
謎解きに推理小説ファンの方も満足することでしょう。
読み始めると眠って中断するのがついつい惜しくなってしまうシリーズです。
寝不足にご注意を…

このシリーズのあと、これまた同氏の星雲賞受賞作『創世記機械』を読み始めたのですが、
難しい物理理論の話についていけず、出だしの長い会議場面で挫折いたしました。
文系の私には、素粒子についての議論が出てきただけで頭クラクラ…

10年以上前に読んだ星野之宣さんマンガがこのホーガンの原作だと知ったので再読。
★星野之宣、原作/J.P.ホーガン「未来の二つの顔 全2巻」講談社(現在は文庫版で全1巻)
コンピュータと人間は将来に向けて共存していけるのかと、
対コンピュータの壮大な実験がスペース・コロニーを舞台に行われるハードSF。
このストーリーは全く記憶に残っておりませんでした。(忘れるから何度も楽しめるということかな)
メカを描かせたらピカイチの星野さん(恐竜や宇宙怪獣の迫力もスゴイけど)、
スペース・コロニー内部や作業宇宙船、作業ロボットなど存在感十分、爆発シーンの迫力も…
果たしてコンピューターに、人間を守るべきものとして認識させることは可能なのだろうか?
ストーリーの濃厚な全2巻のマンガ版でした。
このマンガの印象が薄れた頃、今度は小説を…


★“前田慶次郎の登場”する小説★
●尾崎士郎「石田三成」広済堂
ちらっと見た巻末の出版目録の本書解説コメントに「飄逸反骨の前田慶次郎の登場」とあったので、
あの『一夢庵風流記』(隆慶一郎)以来お気に入りのキャラ・慶次郎に期待して読む。
出だしは前田慶次郎中心のストーリー展開で、もっともっと出番をと思っていたら、
残念ながら四分の一ちょっとで退場してしまった。
本書では、初見の立花宗茂という武将についてもかなり割かれている。
関ヶ原とは別のところで戦って勝利していたという西軍の武将がたどる数奇な運命。
「石田三成」という題名でくくるのがちょっとおかしいと感ずる小説だった。


“前田慶次郎の登場”する小説はまだほかにないかと思い、“前田慶次郎”で検索したら、
傾奇御免のサイトがあり、
そこで紹介されていたのが、次の本で、早速古本屋を探して入手。
●海音寺潮五郎「戦国風流武士 前田慶次郎」文春文庫
あの石川五右衛門とのからみなどもあったけれど、
海音寺潮五郎ファンには申し訳ないが、隆慶一郎や半村良の語り口とは全く違い、
さほどワクワクさせられるストーリー展開ではありませんでした。
伝奇小説じゃないのだから、こんなもんなのかも。



★半村良「獄門首」(未完の遺作)光文社、定価(本体)1800円
唯一未読だった半村作品。文庫化されているのだろうと勝手に思い込んで、
ずっと古本屋の文庫コーナーを探していました。
検索で半村作品を調べたら、文庫化されていないということで、
探すコーナーが変わり、やっと見つけました。
ブック・オフで950円。今年一番の高額な本だと思う。
一時期、ネット古本屋で購入することも検討したが、送料を考えると…、
そのうち見つかるさと思って探し続けた本。

時は江戸、余助は幼くして、盗っ人である両親の手伝い、
その両親も盗みが原因で殺され、余助は孤児となる。
稀代の大盗賊を子供時代から描いたピカレスク・ロマンだ。
北条氏の流れをひき、徳川の世に弓引かんとする大盗賊団が登場して、青年の余助も参加。
小物の盗賊団の上前をはねるなど、これからというときに未完となってしまうが、
徳川を恨むこんな暗躍組織が案外本当にあったかもと思わせる半村流伝奇小説というか、
半村流語り口の面白さは十分堪能できました。
本書は絶版のようですが、未完という所為で、文庫化もされないのでしょうかね。
私のように文庫コーナーを探している方がまだいるかも知れません。

あの未完の傑作「太陽の世界」全18巻は最後の4巻が文庫化されないまま、文庫ともども絶版となったけれど、
未完だという理由によってなのか、このまま絶版?
図書館の「太陽の世界」だって、もうボロボロで破棄処分になったのではないでしょうかね。
古本屋を探し歩いても、文庫になっていない後ろの4巻を見つけるのは大変のようです。
揃いの全18巻は読み直してから古本通販で換金してしまったけれど、
10年ぐらい経ってまた読みたくなったときに、再入手は可能になっているのだろうか?
文庫化に名乗りを上げる出版社はないのでしょうか?

★中山昌亮「不安の種 第3巻」秋田書店
題名に惹かれ手に取って少し読むと各話数ページという恐怖ものショート・ショート(マンガ)
中山昌亮ってこんな話も描くんだとちょっと嬉しくなった作品集
なかなかホラーの良い味を出しています。私好み

posted by yumenoya at 16:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月13日

◎古本屋と万引き

一週間前、連休中の土曜日、とある地下鉄駅近くの新古書店へ久々に行った。
105円コーナーには今まで見かけた記憶の無い、
発行のちょっと古そうな日本美術に関するシリーズものが数冊並んでいた。
手に取ってパラパラとめくると何箇所かに「メトロ文庫」というゴム印が。
どこかの喫茶店にでも備え付けられていた蔵書かな?
城、茶室と庭園、光琳など、写真と解説も豊富で、
ゴム印が押してなければ、ネットで売れそうだなというテーマの本であった。
その古本屋を出た後、別の地下鉄駅へ行ったら、
そこには、地下鉄が設置し自由貸出をしている本棚があった。
その本棚に先ほど古本屋で見た本と同じシリーズの本が置いてあり、
同じ箇所にやはり「メトロ文庫」というゴム印。
「メトロ文庫」は、貸出の手続き無しで返却は最寄の駅へという札幌市営地下鉄の貸出文庫だった。
市役所の職員や地下鉄利用客の寄付の本で成り立っている文庫だ。
一般書や文庫本は小口の腹と天に赤色のゴム印が押してあったが、
美術関係の本という配慮で、少しは目立たない場所にゴム印が押されたのかもしれない。
その配慮が仇となって、先ほどの古本屋に持ち込まれたらしい。
古本屋は「メトロ文庫」というゴム印に気づかなかったのだろうか?
単なる普通の蔵書印と思ったのだろうか?
それにしたってその一冊の買値は5円とかだろうから、大した小遣い稼ぎになるわけでもないのに…
これだって一種の万引きのようなものだろうから、類推するに、
新古書店などの買取が新刊本屋での万引きの温床になっているというのは、やっぱり本当のようですな。

この少し前、ある新古書店でCD付きの本を買った。
すると店から出るときに防犯ブザーが鳴って、「俺なの!?」と吃驚させられた。
本に例の防犯シールが貼ってあったので、解除されていなかったシールに反応したようだ。
会計をした店員が飛んで来、一度戻って解除してもらったけれど。
するとニュースでは、“アルミ箔”を使った万引き犯のテクニックを紹介していた。
どんな新技術も犯罪者にとっては追いかけっこの対象でしかないようだ。
簡単に換金できる古本屋やCD店などがある限り、
換金目的の万引きは無くならないのでしょうね。
もちろん古本屋だって万引き犯に狙われているわけだけれど、
新刊本屋と古本屋じゃ、仕入値と利益率とが全く違うから、新刊本屋の方が被害は甚大となる。

貸本屋時代、新刊を仕入れた当日、その人気マンガを早速万引きされたこともあったけれど、
ネット古本屋には万引きがないから、その点、気は楽です。

★(2006.5/14追記)
“たかが万引きだ”と思う無かれ!
5年ぐらい前だったか、古本屋で万引きをした中学生が店主に発見され、
慌てて自転車で逃げ、そして踏切で電車に撥ねられ死亡するという事故があった。
その店主は傷心を抱えたまま店を再開したけれど、
あの店ではもう捕まらないと思われたのか、万引きが後を絶たず、
結局嫌気がさして古本屋を廃業することになった。
その中学生の親にしても、古本屋の店主にしても、“何故こんなことに!?”でしかない。
万引き犯人の死、つまりは息子の死、そして古本屋の死……
posted by yumenoya at 20:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 古本屋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月03日

◎最近面白かった本、映画、音楽など

今年も例年通り何らの予定もない連休が始まりました。
朝から以前紹介したサイトでネットパチンコをやりながら、これを書いています。
本日は、銭湯へ行った一時間休んだだけで、ずっと打ちっぱなしです。
先日導入された新台・権利物「Flamingo Carnival」は右打ち一発台なので、
当たるたびにハンドル調整しなければならないのが、ちょっと面倒。
しかし、以前の台だと12時間で木箱2つ10万発というのが良い台だったけれど、
この新台は6時間で木箱2つ10万発出るというのが魅力。
ハマリらしいハマリもないので、当たった気分を味わいたいという人にはオススメの台です。
持ち玉も700万発を超えたが、ただ増えてそれで終わりというのがちょっと虚しい…
(本日は休みの一時間を除くと実質10時間弱で20万発をゲットできました。だからどうした?)
「ハンゲーム」にはパチスロもアルデヨッ
http://www.hangame.co.jp/

●『COMEDY NEWS SHOW VOL.1』GyaOで配信の映像
作品解説によると「auの携帯電話サービス・WINで配信され、ユニバーサルよりDVD発売!」
何も予備知識無しに視たのだが、
まず出だしのラディン&ブッシュのちょっと意味深なネタで笑わせてもらい、
続く万華鏡のような素晴らしい映像でうっとりと魅せられました。
ブラックなショート・コメディと素敵な映像がてんこ盛りの作品で、短期間に三度も視てしまった。
この動画を何とか録画できないものかと色んなソフトをダウロードして挑戦したが、
残念ながらどれも失敗してしまった。
土曜までの配信なので、もう一度挑戦して何とかしたいものだ。

“VOL.1”とあるので、続編も配信されることを楽しみにしている。
本作はパソコンテレビ GyaO [ギャオ]の映画コーナーで5/6(土)正午まで
http://www.gyao.jp/

ブラックな笑いと言えば奇才・駕籠真太郎
このブログでもう何度も取り上げているマンガ家だけれど、たいした才能の持ち主ですな。
普通の一般誌に連載された一作だけは私好みでなかったけれど、
ストーリーが過激でないとこの作家の持ち味が生きないので、メジャー雑誌向きではないのかも。
その駕籠真太郎の未読の作品集を久々にまとめて発見し、迷わず即購入。
駕籠真太郎の場合、作品のネタに困っている感じがしないので、頼もしい限りです。
●駕籠真太郎『踊る!クレムリン御殿』(平和出版)
題名から判るようにロシアを舞台にし連作集で、
スターリン、レーニン、フルッショフ、ゴルバチョフ、プーチンなども登場
一番気に入った収録作品「自転車に乗ってゆこう」をちょっと紹介します。
最近健康のために自転車(カゴつき)通勤を始めたプーチン大統領
ところが帰宅時、自転車のカゴは空き缶などでゴミの山
ゴミの入れられ方には自転車によって差があることに気づいたプーチンは、
早速特務機関に調査を命じ、自らもゴミ不法投棄の行動パターンを研究する。
誰かが最初にゴミを入れると「ゴミ捨てOK」と認識されるようだ。
カゴを大きくしたならば…、ゴミの分別をさせるには…と様々な実験が。
これを真似た或る国で核兵器入り自転車を設置したが、捨て方に問題があって町が一つ消滅。
ゴミの種類も行方不明者、嬰児、殺人死体、自殺者、重病人、女房などとエスカレートしていく…

駕籠真太郎は、“自転車のカゴへ捨てられるゴミ”をネタに、
こんな莫迦莫迦しい怪作をものにしてしまいます。
このようにストーリーは過激でグロテスクであり、エロチックなネタも多いので、
一般受けする作家ではないなとは思うが、これでもかという畳み掛け方は私には堪らない魅力です。
不謹慎だからこそブラック・ユーモアなので、
こんな作品が万人受けするような世の中だと、ちょっと恐ろしいかな。
ちなみにアマゾンで本作を調べてみたら、2003年発行というのにもはや絶版
古本は3冊出品されていたけれど…
出版社にもよるけれど、駕籠真太郎の本は増刷されない場合が多そうなので、
見つけたときに買っておかないと後悔しますぞ。超オススメのまだまだマイナーのマンガ家です。


●渡部昇一『渡部昇一の昭和史』ワック
日露戦争と云えば、高校の日本史の時間に聴いたのだと思うが、“脚気”を思い出す。
本書では「第2章 日清・日露戦争の世界史的意義―「祖国防衛戦争」の真実」で、
“脚気”をめぐる陸軍と海軍の対応の違いについて触れている。
海軍では実験によって早くから栄養の問題だと認識して食事改良で対応していたらしいが、
この実証的な海軍に対し、陸軍は頑固に伝染病の一種という認識でいたらしく海軍方式に否定的で、
このため日露戦争で陸軍の軍人の多くが“脚気”で命を落としていると。
東大閥でエリート意識の高かったらしい陸軍・軍医の急先鋒が森林太郎、
つまり後の森鴎外だったとのこと。
こんなところで“森鴎外”の名前に出合うとは…


●上田文世『笑わせて笑わせて桂枝雀』(淡交社)
笑いに文字通り“命”を懸けた桂枝雀の凄絶で哀しい人生
これだけ愛されたら“落語”も幸せもンですな。
枝雀が出演したテレビ番組をたくさん観ることのできた関西の人が羨ましい。


●石ノ森章太郎『絆―不肖の息子から不肖の息子たちへ』(鳥影社)
今でも“石森章太郎”という旧名の方がしっくりきます。
貸本屋を始める前のプータロー時代、古本屋のカタログ通販で一番購入したのが石森章太郎作品だった。
だから貸本屋を開店した当時、一番蔵書の多いマンガ家は石森章太郎でした。
彼のダビュー作『二級天使』を入手して読んだときは、
毎回色んなタッチで描き分けるその才能にビックリさせられました。
それらの石森作品はネット古本屋の開業とともにほとんど旅立ってしまいましたけれど。

本書『絆』では、上京して一時期トキワ荘で一緒に暮らしていたお姉さんの入院と死、
世界旅行を思い立った当時のこと、COMに連載していた『JUN』を巡っての手塚治虫さんとの事件、
本当は小説家か映画監督になりたくって上京したんだという話など、
石森作品ファンには堪らない読み応えのある内容です。


●冨樫義博『ハンター×ハンター』集英社
貸本屋を廃業して以降、少年誌連載作品で続きが気になって時々購入しているのは、
この『ハンター×ハンター』のみになった。
『レベルE』を読んでその論理パズル的な面白さにハマったマンガ家だ。
ふと思うのは、小学生に冨樫義博のこの面白さが本当に解っているのだろうか?
単なるゲーム的活劇として楽しんでいるだけなのだろうか?
いわゆるテレビゲームを全くしないオジサンは、
人気ゲームの内容というかそのレベルには全く無知なもので…

●吾妻ひでお『失踪日記』イースト・プレス
「全部実話です(笑)」吾妻/
突然の失踪から自殺未遂・路上生活・肉体労働、アルコール中毒・強制入院まで。
波乱万丈の日々を綴った、今だから笑える赤裸々なノンフィクション!
というのが、本書カバーのコピーです。
時々何もかも投げ出したくなるという困った虫が棲んでいる私ですので、
シリアスなホームレス生活の実体験マンガとして、とても面白く読ませていただきました。
吾妻ひでおのマンガには特に関心を持てなかった私ですが、
「全部実話です」「赤裸々なノンフィクション」の惹句と、
とり・みきの推薦の言葉で購入した訳ですけれど、期待以上の内容でした。
あの吾妻ひでおのタッチで、深刻ぶらずに飄々と描いているから、なおさら胸を打つものがあります。
★(2006.5/13追記)
先日、朝日新聞の手塚治虫文化賞の発表記事をたまたま読むまで知らなかったのだが、
本作は、次の各賞をトリプル受賞したとのこと。そんな話題作とはちっとも知りませんでした。
第34回(2005年度)日本漫画家協会賞大賞、
第9回(2005年年度)文化庁メディア芸術祭・マンガ部門の大賞
第10回(2006年度)手塚治虫文化賞・マンガ大賞

(2006.7/3追記)カバー裏側にも「裏失踪日記」というおまけインタビューが載ってしました。本日、発見。

●ジェイムズ・P・ホーガン『星を継ぐもの』創元SF文庫
古本屋でちょっと立ち読みをした本で本作を薦めていたので購入したもの。
読み始めたら、久々に先が気にかかって眠るのが惜しくなった本格派SFでした。
謎解きの連続で『ハンター×ハンター』同様、論理パズルのファンにもオススメの傑作。
ネットで調べたら、三部作と外伝のようなものもあるとのことだったので、
昨日早速行った古本屋で探し、『ガニメデの優しい巨人』と『巨人たちの星』を入手。
『内なる宇宙』全2巻も見つけねば…
続編が気にかかる小説に出合ったなんて久々なので、楽しみです。


早くに書こう書こうと思いながら、延び延びになってしまった
★ジャズ生ライブ(3/30木曜、OZスタジオにて)
http://www.k-pj.com/~oz/
同業の好友堂さんと久々に一杯やろうかということになり、
古本屋3軒のセドリ行脚をし、ライブの後の酒の肴を仕入れ戻って少し経つと、
雪が少し舞うなか、少しずつ観客が集まり、小さなスタジオは満員状態に。
昨年5月初めてOZスタジオで生ライブに酔ったときは、
備え付けのテーブルがそのままの状態で、観客も10人ほどだった。
今回はそのテーブルを外へ片付けて椅子だけを並べたので、観客は20人ちょっとぐらいに増えた。
前回の構成ははサックス、ギター、ウッドベースだったが、
今回は、グランドピアノ/板谷大、ウッドベース/豊田健、ドラム/黒田佳広というトリオ。
午後7時に演奏が始まり、まずピアノの音の力強さというか迫力に圧倒されました。
昨年夏、ススキノのライブハウスでジャズ五人衆が勢ぞろいしたときと
迫力が全然違うねと好友堂さんに言ったら、あのときは電子ピアノだったとのことで納得。
こんなにも違うものなんですね。
生のジャズピアノをそもそもあんまり聴いたことがないからなあ。
以前最後にジャズピアノを聴いたのは、いつだったかなと考えてみたら、
サラリーマン時代、もう20年位昔のこと、友人に連れて行ってもらった、
ピアノ演奏でジャズボーカルを聴かせてくれたススキノの洒落た店。
あの時は、ボーカルがメインでピアノはあくまでも伴奏役だったから、
今回のように迫力ある演奏を聴かせてくれるという場ではそもそも無かった。

前半で最もノッたのはラスト前のホレス・シルヴァーの曲
演奏者の皆さん、この曲で一日の精力を全部使い果たすのではないかという力強さでした。
こういう演奏を目の前で視ていると(私はほとんど目を瞑って聴いていることが多いけど)、
肉体労働というか、他の人のソロの時に少しだけ休憩をとれる全力疾走のようだと感じた。
始終走り回っているサッカーのようなもので、休憩タイムがないと演奏者の体力が持たない。
休憩を挟んでの後半には、シャボン玉ホリデーで懐かしいスターダストも演奏
恐らく皆さん、ザ・ピーナッツとハナ肇の掛け合いを思い浮かべていたことでしょう。

ライブ終了後、会場の後片付けをしてから、
トリオの皆さん&スタッフの方など7人で酒盛りが始まりました。
最初は缶ビール、その後は好友堂さんが娘さんから誕生日プレゼントにもらったという純米大吟醸。
皆さん日本酒党だったのでちょっとビックリ。
酒は旨いし、色々面白いお話も聴けて至福の時でした。
そのとき豊田さんにはバスター・キートンの映画、
板谷さんにはマルクス兄弟の映画をという約束をしたのですけれど、まだ果たしておりません。
そのうちきっと…忘れておりませんので。
posted by yumenoya at 20:56| Comment(0) | TrackBack(1) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする