2017年05月22日

◎松本清張の短編小説(森鴎外の「小倉日記」に関連した3作品(或る「小倉日記」伝/鴎外の婢/削除の復元))、酒を呑みながら何度も補筆しもはや午前5時を過ぎた

古本で宮部みゆき責任編集「松本清張傑作短篇コレクション 全3巻」(文春文庫)を買ったのは3月。しばらく積んであったが、最近やっと読んだ。まだ上巻収録の昭和史発掘「二・二六事件」(50ページちょっと)は残っているが、軍部内での思想的対立などの知識が全く無いので、読む気にならない。興が乗らないから読まないかも。

松本清張の作品は、学生時代に新潮文庫の傑作短編集の一冊を読んでから気に入り全6巻を揃え、サラリーマンになってからも未読の文庫短編集を古本で見つけると買って読んでいた。元々短編小説が好きなので、長編はほとんど読んでいない。題名で読んだ記憶があるのは、「ゼロの焦点」「小説帝銀事件」「神と野獣の日」「霧の旗」「西海道談綺」「砂の器」ぐらいかな。「西海道談綺」は21世紀になってから半村良の伝奇小説のようなものを求めて…、日本映画はほとんど視ないのだがたまたま「砂の器」を観てから初めて読んだのだと思う。映画の導入部がとても印象的だったので。それが10年前頃だとして、それ以来ずっち松本清張作品とは全く縁が無かった。
短編好みの私としては、長編には作り物の臭いがして面白くないことが多いのと、寝る前のベッドでの読書が一番好きなので、面白くて短いほど歓迎である。もっとも読み応えがあるのは、眠れないほど面白くって徹夜したくなるほどの長編が最高だ。けどそんな長篇は滅多に出遭わない。半村良さんの伝奇を追いかけていた頃がピークだろうか。平井和正のアダルト・ウルフガイの時期もあった。ワクワクして追ったのは笠井潔のヴァンパイヤー戦争シリーズが最後だろうか。

今年になって目に留まった古本は、宮部みゆき責任編集「松本清張傑作短篇コレクション」だった。宮部みゆき作品はSFっぽい長編数冊と古本屋が舞台の「淋しい狩人」ぐらいしか読んでいない。けど何冊かの宮部みゆき編アンソロジーは面白かったので、「松本清張傑作短篇コレクション」は即決でした(松本清張作品は全て引越しダンボールに入ったままなので)。宮部みゆきさんが何を選び、どんなコメントをしているかも気になったので。

「松本清張傑作短篇コレクション」で一番面白かったのは、巻頭の作品「或る「小倉日記」伝」で次が「削除の復元」。どちらも森鴎外の「小倉日記」に絡んだ作品だがいわゆる推理小説ではない。

45年も昔の学生時代に「或る「小倉日記」伝」を読んだ時には、いったい何を感じながら読んでいたのだろうか。色んな経験をした65歳だから判り「或る「小倉日記」伝」が一番良かったと思っただろうけど、学生時代だと「西郷札」の方が面白いと感じていたのだろうか、二十歳ぐらいの私に「或る「小倉日記」伝」が読み込めたとは思えない。当時の新潮文庫版6冊がダンボールから出てきたら、目次ページには◎◯△の評価マークがあるはずと少し気になっている。

他の短編が気にかかったので、今日は図書館へ行き、松本清張全集(全38巻、文藝春秋)の短編巻(35と38)2冊と「鴎外の婢」を収録した第10巻を借りて来た。ついでに宮部みゆきさんが「或る「小倉日記」伝」のコメント薦めていた阿刀田高「小説工房12カ月」(集英社)も借りて来た。

戻り日本ハム戦の開始前に真っ先に読んだのは「小説工房12カ月」で、「或る「小倉日記」伝」に関連のありそうな「松本清張の短編」「ミステリー工房の秘密」。「ミステリー工房の秘密」では、小説の主人公・田上耕作と実在した田上耕作さんを簡略対比しておりました。モデル田上耕作さんに興味のある方は、阿刀田高「小説工房12カ月」をどうぞ。まだ拾い読みの途中ですが面白いエッセイ集です。

次に読んだのは、小倉日記関連らしい「鴎外の婢」。これは途中から殺人事件があったのではと展開していく推理小説でした。
「或る「小倉日記」伝(1952)」「鴎外の婢(1970)」「削除の復元(1990?)」

私は森鴎外作品のファンでは無い。昔読んだのは舞姫、高瀬舟、山椒大夫、ヰタ・セクスアリスぐらいだと思う。だから森鴎外についての関心は別に無い。なのに「或る「小倉日記」伝」などこれら3作品を面白いと感ずるのだろうか。

先に紹介した阿刀田高の「ミステリー工房の秘密」の出だしは
「小説はすべてミステリーである、と、これは私の持論である。」
また松本清張全集第10巻の解説は矢野健太郎「数学と推理小説」では
娯楽を本当に楽しもうと思ったら、相当頭を使わなければならないようなものの方を好む。
数学者には、推理小説、パズル、碁、将棋の好きな人が多い。それが嵩じると、推理小説を書く、パズルの創作、詰碁、詰将棋の問題作成へ

私は小説が好きだし、最近やらないがパズルも好きだったし、たまには数独をやっている。
小説の好みは阿刀田高さんの云うミステリー。奇妙な出来事に捕まったり、どう展開するのか先が気になったり、主人公のキャラが格別魅力的だったり(発言、行動や発想が面白い)、不思議や謎や展開や人物に対する興味が読書の原動力だ。何も小説に限定する必要は無い。知的好奇心から始まる読書も心地よい。
私は映画より小説の方が面白いと感じているけど、読み手の想像力の方が映像より優っていると思っているからかな。

「或る「小倉日記」伝」などの面白さに戻ろう。
こんな興味を抱いた時には、戸籍だったり、当時の地図だったり、誰かの証言だったり、証拠固めが必要となる。田上耕作は森鴎外と関係のありそうな人物を捜して訪問し訊く、森鴎外が行ったかもしれない寺へ行ってみるなど足での捜索。
後述する私の推理劇で活躍したのは、戸籍と旧い当時の地図でした。


私にも謎を前にして興奮(紐解こうと発奮)する性癖があるようで、
突如現れた謎に対する興味(一種の好奇心)の発火が昨年、私に起きた。
色丹島出身なのかという質問があって中学時代の担任先生に突然電話をかけた。(中学を卒業してから50年近くが経っていた)
疑問が一応解けたので、そろそろ電話を切ろうかなと思っていたときに、
先生は子ども時代に、(独身の)私の母に会っていると!?!?!?と吐露……
母は戦前(1940年)に長野から根室(多楽島)へ養女に来たけど、
養女先の祖母の持っていた根室の土地を借りて、
先生の祖父が家を建て、そこから先生は小学校へ通っていたと!?!?
先生曰く、祖父に連れられて家賃を払いに地主の家へ行ったら、
そこに一緒に居たのが私の母だったと!?!?!?

私の推理の顛末は次のブログ記事で
★亡き母の若き日を求めての推理劇は突如開幕した(北方領土・多楽島-1)***2016年04月05日
http://yumenoya.seesaa.net/article/436243471.html
これに付随した推理劇は続き
★ソ連軍上陸後に島を脱出した宿屋の漆塗り朱色お膳セット木箱 その1/写真六葉(北方領土・多楽島-2)***2016年04月21日
http://yumenoya.seesaa.net/article/436932103.html
★ソ連軍上陸後に島を脱出した宿屋の漆塗り朱色お膳セット木箱 その2(北方領土・多楽島-3)***2016年04月21日
http://yumenoya.seesaa.net/article/436952404.html
★第二子を生むため母の実家・長野を目指し秋田辺り(日本海)へ船で決死行!?1945年(北方領土・多楽島-4)***2016年07月06日
http://yumenoya.seesaa.net/article/439769284.html
この当時の構想では、あと2回連載する予定だったが頓挫
当初構想を変更して、あと1回で終了のつもりだが、
これまでのような謎解きの記事では無いことから、
文章としてまとめる意欲と興味が半減してしまいました。
知的好奇心をくすぐった謎は私の中で既に一応完結しているので、
あらためて姉や先生にブログで語る必要は無いし(既に手紙や電話で語っているから)、
なおさら第三者に向かって書く必要があるのだろうかと、面倒くさがりや虫が囁く。

今せっせと書いているプロ野球の日本ハム戦のブログ記事も
これをやっていないと、大谷くん復帰に向けてのボルテージを維持できないのでは…、
という不安が襲ってくる脅迫心から、投稿を続けているような気がする。
勝つに越したことはないけど、ワクワクさせてくれる大谷翔平くんが居れば十分だとも思う。
何せ昨シーズンはどんな面白い小説や映画などよりも、大谷くんの感じさせてくれるワクワク度が一番で毎日のメインでした。
だからこの喪失感は半端じゃありません。カムバックー
(寝酒が進むと大谷くん不在のグチになってしまいま〜す)

さて母にまつわる謎はまだ二つ残っている。
何故母は長野から北海道の東端・根室へ養女に来たのか??
 (根室へやっと着いたと思ったら、行先は船に乗り多楽島だった!!)
もう一つは島を逃げて来た父母たちがやっと定職先を見つけた時の経過??
最初の謎は、母から聞いた記憶が姉にも皆無なので断念
第二の謎は、姉に母から聞いた記憶があるのだけど、
私の推理した当時の状況と合致しないので、二説併記で断念。
これは北方領土そのものとは関係が薄いのでブログ記事にするつもりは最初から無い。

これらすべては私の生まれる1952年の前の出来事で、
証拠や証言などは少ないか皆無かだ。
だから推理というよりは憶測かも。

昨年こんな好奇心に駆られた謎を巡る私の推理劇があったから、
「或る「小倉日記」伝」など「小倉日記」関連3作は、
主人公たちをより身近に感じてとても面白い作品だと受け止めたのだろう。
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《追記》
松本清張の短編「火の記憶」を読んでいる時に想起した一ノ関圭「寒雷」
この「寒雷」については下記ブログで紹介している。
★最近面白かった本から***2005年11月07日
http://yumenoya.seesaa.net/article/394425509.html
主人公が語るのは小学校の中高学年頃の出来事か
「火の記憶」の方は幼く小学校入学前か
どちらも幼い時の母との旅での話
目立つ場面の色はどちらも紅
「寒雷」は放火らしい火事の色
「火の記憶」は大人になってから判明するボタ山の火
どちらも語り手は大人になってからの少年時代の母との追憶記憶
どちらもモノクロ映像のテレビドラマにしたら
夜の火事の炎シーンとボタ山の火シーンだけは紅色にしたいストーリー
そんな連想のつながりでした

松本清張の短編小説は再読も宝のヤマだ
読んだのはかなり昔だからストーリーを何も憶えていない
初めての作品もかなり多いだろうし
こちらも色々経験を積んだオジサンだから、読書印象もかなり変化しているだろう
この「或る「小倉日記」伝」が一番面白かったという歳になっている
松本清張短編だと地元図書館でほぼ読めるはず
その次は小松左京短編にするかな
半村良の伝奇長編は今でも時々読み返しているが
ドストエフスキー長篇に挑戦するには体力が要りそうだから…
再読の挑戦意欲は全く湧かない
娯楽小説じゃない長篇はキツイよなあ
もう朝6時近いのでオヤスミなさい

半村良「平家伝説」を寝床で読み始めていたら、ふと思いつきましてーー
なのでパソコンを起動しその前に
オフクロの息子としては気にかかる
お親父と知り合う前の若きオフクロの面影
それが推理ドラマのエネルギー源でした
急にそれを記しておきたくなったのでございます、チョン
posted by yumenoya at 01:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする